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(真田才悟)〈これは 僕のお兄ちゃんでは ありません〉 〈こっちが兄です〉 〈なぜ こんなにビビッてるのか 15秒前に時間を戻します〉 (鈴木ソアラ)赤ちゃんが 出来たっぽい…。 妊娠… したっぽいです。 (カーステレオ) 〈僕は まだ子供なので よくわからないけど 兄さん 大ピンチみたいです〉 (サム)お前… 野球 出来る? (真田一男)えっ? 明日 草野球の試合なんだけどよ レフトの奴がさ 銃刀法違反で パクられちゃったんだよ。 え…? 来れんの? 来れねえの? 行きます…! うっ! (真田 恵)どうしちゃったのかしら 一男さん 受験生なのに…。 (真田 実)気晴らしだろう。 それにしちゃ顔がマジすぎる。 鉄人 衣笠みたい。 ふんっ! 野球で推薦 狙ってんのか? 今さら? 高3の秋ですよ。 (真田四郎)そうだよ。 ねえ。 もっと脇締めて アゴ引かないと。 そうじゃなくて…。 あー もう こんな事してる場合じゃない! うーっ! マジだな。 お願いします。 オーケー オーケー オーケー。 1個 1個 1個。 アウト! 1個 1個 1個。 (審判)アウト! はい オッケー。 (サム)お前 送りバント うめぇな! あ… ありがとうございます。 はい。 はい すいません。 だけどよ お前 1回ぐらい 振ったっていいんだぜ? だって つまんねぇだろ? いや つまんないとか 面白いとか考えないんで…。 あ? つまんね奴だな! (サム)よし! 行くか! おおっ! (一同)打ってらっしゃい! (サム)おう! 病院 行ってみた。 おめでとうございますって 言われた。 6週目だって。 ごめん…。 いや 謝る事じゃないし…。 っていうか ほんとに俺の…。 (サム)ああっ! (審判)ファールボール! さあ 来いや! あっ サムは違うから。 そうなの? 違う 違う。 絶対 違う。 だって いつも 完璧に避妊してるから。 (ソアラ)二枚重ねだから。 ああっ! (審判)ストライク! あーっ クソッ! 追い込まれた。 追い込むつもりは ないんだけど… どうしようか? っていうか どうすればいい? っていうか どうしてほしい? っていうか どうする? ごめん…。 一男くん まだ高校生だもんね。 とりあえず 野球やってる場合じゃないと思う。 ちゃんと正直に話すべきだと思う。 うん…。 早い方がいいと思う。 テメェ コラーッ! どこ 投げてんだ! コラーッ! わざとか!? わざとだろ! わざとだろ! この野郎っ! オラァ~ッ! オラァ~ッ! 今日じゃない方がいいと思う。 うん。 (実)おっ うまいなぁ~。 (真田六助) あれ? あれあれ? (3人)もしかして…。 (真田ヒロユキ) あぁー… ただいま…。 (真田七男) やっぱりヒロユキおじさんだ。 暗いよ お前。 頼むから 負のオーラを家庭に持ち込むな。 〈ヒロユキおじさんは 10年勤めた会社が倒産して 現在 就活中です〉 (ため息) どうだったの? 面接。 (ヒロユキ) こういうご時勢だから…。 あぁ…。 背中が… 無職という十字架が… 重い! 〈背中に乗っているのは お父さんの前の奥さんで つまり… お兄ちゃんや お姉ちゃんのお母さんで つまり つまり…〉 (メグミ) 才悟 生ビールちょうだい。 〈おばけです〉 はぁ…。 泥みたいだな。 真田泥ユキだな。 見ろ ほら。 お前のため息で コスモス クターッて なっちゃたよ これ。 お? ん? 父ちゃん 母ちゃん ただいま! (恵)おかえり。 明るいな 四郎は! 見て見て 数学のテスト… また4点! アハハハッ! もう~… 笑い事じゃないのよ。 それ 大問題よ。 今度は 40点取れるように 頑張るぜ! ハハハッ! ビール! ねえ ビールだってば! (四郎)それから これ 先生から。 何? アンケートだってさ。 え? 「いじめから子供を守る 親と教師の会」? (真田三子)出た。 今 うちの中学 結構 いじめ多いんだよね。 この間も 親が 学校 乗り込んで来たし…。 へぇ~。 それでアンケートか。 まあ 最近の教師は 楽する事ばっかり考え…。 (恵)ん? 才悟? 才悟! (舌打ち) 泡ばっかじゃん。 へたくそ! (恵)「1 友達に 暴力を振るわれた事がある」 はい! え? まあ 男の子だからな。 荒っぽい あいさつ的なやつだろう。 ああ…。 そうそう そんな感じ。 大体 頭とか背中とか。 あと 肩? こんな感じ? いや 全然 もっと。 (実)こんな感じか? いや もっと! こんな感じか? もっとだよ。 全然 もっと。 えー…。 ダメだ。 これ以上は 罪悪感が芽生える。 これくらい! ああーっ! 痛い! (実)大げさだな 泥ユキ! ほんと 痛いよ これ! (実)はい 次 次! はい では 友達に暴力を 振るった事がある。 いいえ。 殴られっぱなしか。 ねえ それって 何回くらい? うーん わかんない。 ほぼ毎日だし。 でも 冗談だから。 殴る子は なんて子? (四郎の声)原田と後藤と橋本。 河合と鈴木と浅野。 たまに小松。 (四郎の声) いじられキャラなんだ 俺。 学校では そういうポジションなの フフッ。 「2 服を脱がされたり 隠されたりした事がある」 はい! (四郎)やめろって! ハハハッ! やめろ! 恥ずかしいって! (四郎)返せよ! ちょ… 返せって! キャーッ! (四郎の声)しょうがない奴らなの。 ほんと幼稚なんだよね。 フフッ。 俺のリアクションが 面白いからって プールに突き落としたり 下駄箱にザリガニ入れたり。 あっ あとね…。 もういい。 次 いこう。 次。 うん。 「3 現金を巻き上げられたり 恐喝されたりした事がある」 それは… ないや。 いいえで。 何 悔しがってんのよ! 「4 使い走りにされた事がある」 はいはいはい! (四郎)アイス お待たせ! 来た 来た 来た! 遅いって! 溶けちゃってんじゃね? これ。 金は? ねえ 金! 100円ずつ出せよ! おい! 結果的に 現金も取られてるな。 次。 「5 無視された事がある」 それはない。 こんな元気な奴 無視出来るわけ…。 はい! あんのか!? (四郎)なんだ ここにいたんだ。 (四郎)へい! 教室戻る? 行こう。 おい どうした? どうした? 元気ないな。 小松 橋本 見て 見て。 マリモッコリ。 マリモッコリ。 ほら ねえ。 参っちゃうよ 俺のリアクションが 面白いから…。 何? 四郎くん よく聞いて。 それ… いじめられてる。 いや いや いや いや いや いや いや いや いや いや いや! (奥山) ひどい! これはひどいです! だけど 本人 いじめられてる意識 全くないんです。 だって 仲いいし。 仲良しグループの中の いじられキャラなんです 僕。 ねえ いじられキャラの 一点張りなんです。 2年のクラスでいじめが原因で 不登校が出ましたが ここまでひどくはなかったです。 えっ!? ねえ。 いじめると いじるは違うの。 やってる側は どうなんでしょう? 四郎を いじめているという意識は…。 ないない ないない! やる側もやられる側も 自覚がなければ それは もういじめとは 言えないんっすかね? 調査しましょう。 (奥山)真田くん 一番仲がいいのは 誰? 親友って呼べるのは… 橋本かな。 (橋本ユウキ)頼む 真田。 お願い! 1回だけ かけさせて。 親友じゃん! (奥山)いじめているという自覚は 確実にあったと 橋本くんは 言っています そうなんだ。 なんか リアクションが いちいちウザくて…。 ユウキ! ちゃんと謝りなさい。 ごめんなさい。 小松くん 後藤くん 浅野くんも謝りたいって ね? (3人)ごめんなさい。 真田くん 先生も 気づいてあげられなくて ごめんね。 まあ 本人も 気づいてなかったぐらいだから なあ? 何が? お前…。 あれじゃダメだな。 何が? どいつもこいつも 親の前で いい子のふりしてるだけじゃん。 あれじゃ なんも変わんないな。 そっち よろしくお願いします。 はい。 (カーステレオ) (カーステレオ) いらっしゃいませ! いらっしゃいませ! 一男くーん! 日曜日さ また試合なんだけど 来れるよね? あ… はい! 連絡先 聞いたっけ? いや… いや まだ…。 じゃあ 赤外線 いい? 今日は 鈴木さんは…? ソアラ? なんか熱っぽい とか言って 家で寝てるよ。 バカでも 熱出るのな。 よし…。 もう逃げられねえぞ。 ハハッ…。 アハハハハハッ! まあ よろしく頼むわ! なあ! (サム)じゃあね! はい…。 (ヒロユキ)あー…。 (ため息) おや? 中学生らしからぬ 深いため息だな。 まあね…。 まだ いじめられてるのか? いじめられる方がマシだよ。 ギブ! ギブ ギブ ギブ! おら おら おら おら! (四郎)何してるの? ああっ! 何? 何? 今のなんていう技? 真田もかけていいよ。 いいよ 俺 そういうキャラじゃないし。 いいって。 ここ 足かけて 足。 で 手 そうそう。 おお いいぞ。 何してるの! 逃げるぞ! (ため息) (ヒロユキ) ターゲットが変わっただけか…。 そして 君は 完全に腫れものだね。 腫れもの? うん。 なんていうかね 腫れてるんだよね 今 四郎は もうパンパンなんだよ。 だから 怖くて触れないんだ。 うん でも小松くん 可哀想だよ。 そういうキャラじゃないのに…。 代わってあげたいか? うん…。 代わってほしい。 四郎! だって… つまんないんだもん! 先生 ずっと見張ってるから 誰も遊んでくれないし 居場所ないし…。 おじさんは? え? ああ 俺のため息は 無意識だから。 ハハハハッ。 あっ そう。 ああ でも 一応 聞いてくれる? 面接官がさ… 前の会社の社長だったんだ。 高卒ですか。 あっ えっ… ええ。 でも 系列会社に 10年勤めましたので…。 高卒だと ちょっと厳しいですね。 社長! 今は 人事担当です。 大卒って事にしちゃいますか? え? 大丈夫だよ。 調べねえから。 でもな なあ… なあって なあって なあ…。 この会社 給料安いぜ。 (ヒロユキの声)会社に関する ネガティブな情報ばっかり 聞かされてさ。 それで 気づいちゃったの。 俺の このキャラってさ 全部 あの社長の影響なんだよ。 マイナス思考 ため息 嘘くさい笑顔。 10年かけて あの社長に 洗脳されたんだよ。 ドバッ! 父ちゃん! やっぱり 大学には行った方が いいよな。 そうだよな。 いつから水中に!? 忍び? ≪(ドアの開閉音) 来たな 小メガネ。 真田亭小メガネ。 何 見てるの? 一男兄ちゃん 何かあったのかな? あったね…。 だけど 人に言える何かじゃない。 だから 今は 何かあった事だけ 誰かに気づいてほしくて バット振ってんだね。 うっ! 面倒くさいね。 それが 一男のいいとこでしょ。 いいところ? 面倒くさくない一男なんて 辛くないキムチだよ。 わかんない。 面倒くさい問題を抱えてくれる 面倒くさい長男がいるから あんたたちは のほほんとしてられんのよ。 感謝しなきゃね。 ますます わかんない。 一男がいじめにあった時だって 面倒くさかったよ…。 いじめ? 一男兄ちゃんが!?行くよ! もう! これ… うちの大助が? そうなんでしょ? はぁ…。 言わないんです 絶対。 だから 名簿見ながら 1軒1軒回って 確かめてるんです。 大助くんは? 塾に行ってて。 (母親)あっ ちょっと真田さん! (大助)な… なんだよ! みんな あんたの仕業だって 言ってんだよ 大助。 死ね バカ 風呂なしは わかる。 何? このおばちゃんって! なんか おばちゃんっぽいから…。 誰が? 一男くん。 もったいない もったいないって 給食のパンとかグラタンとか タッパーに入れて 持って帰るから。 兄弟思いなの! うちは兄弟が多いの! とりあえず 一発殴らせな。 ほら! お母さん! 痛い…。 (大助)え? 痛い 痛い! 痛い! いっ… 痛いって言ってんじゃん! 真田さん 大丈夫ですか!? うぅー 来る! 来る 来る 来る 来る 来る 来た…。 その時に生まれたのが 六助と七男。 人ん家で? 息子いじめられた仕返しに 部屋で 双子産んでやったかんね。 ヘヘッ。 どっちかっていうと 面倒くさいのは メグミの方だと思うんだけど…。 結局 あの子 自分の事いじめた友達の事 最後まで かばったの。 何度も聞いたんだよ? 悔しくないの? って。 そしたら…。 いじめられる僕にも 責任があるんだよ。 なあ いじめる側が言ったら ただの言い訳だけど いじめられてる立場で それを言うのが 一男なんだよ。 どういう事? 変わらなきゃって 思ったんだろう。 自分の殻を破って。 あいつ 実際 変わったし 自力で乗り越えたし。 2人とも 自分のキャラが どうとかこうとか言ってたけど もしかして それは キャラじゃなくて 殻なのかもしれませんね。 うわっ ちょっとうまい事 言っちゃった。 超はずいよ~。 はぁ… 耳が痛いよ。 うん。 キャラも殻もいくらでも 自分で壊せるよ! なあ 四郎。 お前なんか たかだが 13年しか 生きてねえんだから。 俺は? 手遅れだ。 そんなぁ…。 あのさ メグミ。 なあに? これからは メグミの思ってる事を 僕がみんなに伝えようか? え… どうしたの? 才悟。 言ってたから。 見てるだけじゃ つまんないって。 みんなから姿が見えなくても 言葉では伝えられるし。 もちろん メグミがいる事は言わないよ。 どうせ 信じてもらえないし。 だから どうしても伝えたい っていう事とかあったら 僕が代わりに言ってあげる。 才悟…。 ありがとう。 あんた 優しい。 その代わり…。 おっぱいか? おっぱいじゃないよ…。 おっぱいなんだろ? おっぱいだよ! おっぱいだけど! 先に おっぱいおっぱい 言われたら もうおっぱい おっぱい 言えないでしょ! やっぱ 面倒くせ…。 (サム)8打席連続って お前 それ… 神の領域だぜ。 ありがとうございます。 よっしゃー! 俺も 一発かますかー! (一同)打ってらっしゃい! (サム)ウィーッ! 野球 やってる場合じゃない っていうのはわかってる ごめん。 大丈夫。 どうするかは 自分で決めるし。 え? うん。 一男くんに 迷惑かけたくないから。 え… 迷惑…。 自分で決めるって どういう意味? 誘ったのは私だし 油断したのも 私だし。 とりあえず 実家に避難しようと 思ってる。 えっ ちょっと待ってよ! ソアラっていう名前 つけるぐらいだから うちの親もヤンキーだしさ。 別に驚かないと思うんだよね。 周りにも 十代で子供産んだ友達とか シングルマザーも 結構いるし。 父親が誰とか あんま気にしないと思うし。 サムさんには? ああー! (審判)ストライク3 バッターアウト! (一同)扇風機! (サム)この野郎…! 言ったら 一男くん 終わるよ。 人生 棒に振る事ないよ。 若いんだから。 (サム)クソーッ! どんまい どんまい! (ダイナミックパパ) 「怒ってないから 帰って来いって」 「みんなね 心配してんだぞ」 「胸毛は…」 (子供たち)あっ。 (真田五月)ねえねえ お母さんは 家出とか考えた事ある? (真田二子)バカだなあ 五月。 お母さんに限って そんなのあるわけ…。 (恵)ありますよ。 (子供たち)えっ!? いつ? いつ? いついつ? なんで? なんで なんで なんで? もう ご飯作りたくな~いとか もう掃除したくな~いとか…。 埼玉の実家に帰った事もあるし 才悟を抱いたまま 気づいたら 成田にいた事ありますよ。 高飛び!? 知らなかった。 そんなに 追い詰められてたなんて…。 でも すぐ帰ってきちゃうからね。 お母さんの家出は みんなが学校に行ってる間に 終わっちゃうの。 (恵)さあ お風呂いってらっしゃい。 (恵)どうしたの? やだ。 お母さん どこへも行っちゃやだ! お母さん! (2人)お母さん! (泣き声) ど… どうしたの? みんな。 もう どこにも行きません! (七男・六助)ほんと? ほんとに? (恵)ほんとよ。 (七男・六助)お母さ~ん!(五月)才悟はダメ! なんで? だって あんたは お母さんの子だもん。 本当の親子はダメ! そんな…。 才悟 おいで。 ママー! みんな お母さんの子です。 (子供たち)お母さーん!(実の声)変わらなきゃって 思ったんだろう。 自分の殻を破って。 あいつ 実際 変わったし 自力で乗り越えたし。 四郎…。 どうした?≫(ドアベルの音) いらっしゃいませ。 お父さん お父さん。 ん? あっ どうも! 2人なんだけど いい? (恵)どうぞ。 足元 気をつけて。 (恵)あれ… 奥さんよね? より戻ったのかしら? そうなんです~。 先週の放送を見て 帰って来たんです。 地獄耳…。 ロイヤルミルクティーを… ツー。 (恵)あ はい…。 あっ! (恵)え? 何 何 何…? ちょっと… ダイナミックママ 見て。 (恵)サングラス でかっ! あの… もっと下。 下? ストッキングの柄 うるさっ! (実)あ… いきすぎ。 中間っていうか あの鞄。 鞄? (恵)あーーっ!! そうです~! 9人目なんです~! (尾女田)おう 真田。 (尾女田)おい そんなびっくりする事ないだろ。  何読んでるの? 『実話ナックルズ』か? あ? あ…? 真田 お前…。 9人目? え? また生まれんの? すげえな真田家。 何 真田家。 スカパラ目指してんの? いや 目指してないです…。 ああ そうかそうか! いや ますます大変だな 長男。 あ 先生 先生。 ん? ああ… はいはい。 いや すげえわ お前の父ちゃん。 お盛んカメラマンだなあ。 俺なんかさ もう ご無沙汰ティーチャー…。 ただいま。 えっ 何? 何 何? (二子)四郎の同級生だって。 野球部の。 (一同)こんちわっす! こんちわ…。 四郎の事 心配して 来てくれたみたいよ。 はい。 先週の火曜日から ずっと練習休んでて…。 そうなんだ…。 帰りが毎晩遅いから てっきり部活だと思ってたのに。 しょうがないなあ ほんと。 さっき見たら 部室の裏のゴミ捨て場に これ落ちてて…。 (部員)真田くん 練習頑張ってたし 2年で1人だけベンチ入りするって うわさもあって…。 だから ここで辞めちゃうの もったいないと思って。 辞める? (部員)あ いや… わかんないけど。 探してくる。 (二子)ちょっと 探すって お兄ちゃん どこを? ≪(五月)ただいま~。 お腹すいた~。 ん? 五月 四郎見かけなかったか? うん 見たよ。 えっと… 3丁目のコンビニで。 ≪(七男・六助・才悟)ただいまー! (パパ)おやおやおや? なんですか? さては おたく… 大家族ですね? ドーン! 探しに行ってくる。 気をつけてな。≫(笑い声) (笑い声) なんすか? 君たち 湾岸中? ああ!? 湾岸三中だよ。 あのさ 湾中の真田って知らない? 知らないか。 ごめん。 ふざけんじゃねえ! 待てコラ! (四郎)お待たせ~っす! 遅えよ 湾中のハゲ。 いってえ! あつっ! あつあつっ…! いちいちリアクションが うぜえんだよ おめえよ。 つうかさ お前さ 名前なんだっけ? あ… 真田っす。 真田…。 なんか聞いた事あんな。 まいっか。 お前 これ 3秒で食ったら千円やるよ。 マジっすか!? そんかし 食えなかったら まゆ毛 全剃りね。 ちょいちょいちょいちょい… 勘弁してくださいよ~! 早く準備しろ 湾岸中のハゲ。 あのあの… これって 失敗して まゆ毛剃られちゃった方が 結果的に おいしいパターンですか? あ それとも…。 1! 2! 3! 四郎! (不良たち)ガリガリ君! これより家族会議を始めます。 才悟 才悟。 今日も多くない? 《うん。 さっき数えたら 13人いた》 しかも なんか 平均年齢まで上がってない? (ヒロユキ)あの~ すいません。 ちょっと 知らないの 僕だけかもしれないんだけど こちら どなたですか? おじいちゃんだ! おじいちゃん? (七男・六助)ほんとだ! 兎のおじいちゃん! (田所 兎)ハハハハ… みんな元気だったか? あっ お義姉さんのお父さん? あ… そうなの。 父です。 埼玉県川越市から来ました 田所兎と申します。 あ… 兎…。 兎年生まれだから 兎。 おかしいか? (実)お父さん こいつ 弟のヒロユキです。 さあ お土産だ。 川越名物 紅赤だぞ! (子供たち)やった~! いつもすいません。 いいの いいの。 あ ついでに兎のおじいちゃん 気分いいから お年玉くばりまーす! (子供たち)イエーイ! もう… まだ11月よ。 いいじゃねえか めったに会わねえんだから。 大きくなったな…。 さちこ。 五月だよ。 よしお。 四郎。 ねえねえ 私は? 私の名前は覚えてるよね? 覚えてるよ。 みなみ さくら いちろう! (ヒロユキ)全員間違えるって 逆にすごいですよね。 えーっと… はい 双子。 (ヒロユキ)諦めた~…。 え~ 最後が…。 最後は… らすと。 才悟だよ。 さいごでよかったのに。 アハハハ! みんな私の可愛い孫だ! ねえ実さん そうだよね? (実)そうですね! 名前も覚えてないのに おじいちゃんかよ。 (実)ういっ! これ回収 回収~! ここは にぎやかでいいねえ! 川越の建売り住宅とは えらい違いだ。 (恵)ちょっと! そういう事 言わないの。 長男の嫁がね 性根の腐った女でねえ…。 実さん 聞いて。 私をベランダに立たせて 直接ファブリーズするんです。 おじいちゃん あの 今日は何をしに来たんですか? あ すいません…。 同窓会よね? 同窓会です。 あ 同窓会…。 実さん たまには男同士で パーッと飲み明かしましょうや! いいですねえ! あの! その前に 家族会議 始めませんか? おい 四郎。 どういう事だ? お前。 部活辞めるって。 別にいいじゃん。 よくねえよ! 文句ねえだろ! 学校には行ってんだからよぉ! 四郎 どうした? そんな ビー・バップみたいな喋り方…。 うっせえな 関係ねえだろ! やめてよ。 似合わないよ。 兄貴のせいかもしれないよ? あ 俺? なんで? 言ってたじゃん この間 銭湯の帰りに…。 キャラも殻もいくらでも 自分で壊せるよ! あ それでお前…。 (三子)ああ もう余計な事…。 違うんだよ 四郎。 そんな急激に 無理して変わるんじゃなくて ちょっとずつ 空気を読みつつ だまし だまし…。 そんなの無理だよ。 だよなあ。 バカだもんなあ! だって自分がいじめられてるの 気づかないんだもん。 いじめられてねえよ! ちょ… え~? 寝てるし…。 《ねえ メグミ》 何? 《飲んだくれてないで なんか言ってよ》 ああ ごめん。 全然聞いてなかった。 それでお前 あんな奴らと…。 あんな不良連中に 殴られたり 蹴られたりして お前 そんなに楽しいのか!? 楽しいよ。 (ヒロユキ)う~ん… なんだろう。 四郎くんは… Mなんだろうね…。 何 何 何? Mって何? だって クラスじゃ みんなに気ぃ使われるし 野球部じゃ期待されるし。 居心地悪くてさ…。 だったら いじられてる方が マシじゃん。 うん。 ドMなんだね。 (四郎の声)あいつらといた方が 楽なんだもん。 いじられてる方が楽しいし みんなも楽しそうだし。 俺のキャラに合ってるんだよ。 お前 それじゃ何も変わんないぞ。 それは お前にとって 居心地のいい場所を 見つけただけだろ。 そうだけど…。 あのな 父ちゃんの言ってた 殻を破るっていうのは そういう事じゃないんだぞ 四郎。 お前自身が変わる事。 そして お前の力で その周りを変える事なんだ。 いじられて喜んでるような 男じゃないって そう思わせる事なんだ! よっ! さすが長男! いい事言う! だから 目の前の事から逃げるな。 今 やるべき事をやれ。 とりあえず… 部活は辞めるな 続けろ。 一男さんはどうなんですか? え? やるべき事から逃げてませんか? いや… 俺の事はいいんで 四郎の事…。 よくないです。 心配なんです。 大学はどうするんです? 成績も下がってるし…。 だけど なかなか 答えを出そうとしない。 相談もしてくれない。 アルバイトと 公園で素振りばっかり。 ちゃんと 現実と向き合ってください! 妊娠… したっぽいです。 どうしよっか? もう逃げらんねえぞ。 ていうか どうすればいい? もう逃げらんねえぞ。 ていうか どうしてほしい? もう逃げらんねえぞ。 (ソアラ)ていうか どうする? もう逃げらんねえぞ! 僕の事は 放っておいてください…。 (実)一男…。 く… 来る…! 長男ですから 自分の事は 自分で決めます…! (兎)甘ったれてんじゃねえよ この野郎! おじいちゃん! お 寒い…。 閉めて! 黙って聞いてりゃ おめえ…。 ガキが いっちょまえの口 利くんじゃねえよ! いやいや お父さん 全然聞いてなかったでしょ!? そうだよ。 完全に寝てたじゃん。 よしおが…! 学校で いじめられてんだろ? 俺 よしおじゃねえし。 よし! 決闘だ。 ゲンコとゲンコで…! あ いた…。 誰と? なんだこれ? なんだこれ? (橋本)え? あっ…。(四郎)なんか ごめんね。 おじいちゃん 昔の人だから…。 (橋本)やりづらいよ。 みんな見てるし。 別に 俺 真田に恨みなんかないから。 そうだよね。 俺もない。 …ごめん。 「おーい! 聞こえるかー?」 はーい! 「おじいちゃんが合図をしたら 決闘開始だ!」 はーい! 2~3発殴ってくれたら 俺 降参するから。 それで おじいちゃん 納得するから。 (ため息) 了解。 「よーい… ファイト!」 いいよ。 あたっ! あ ごめん…! 平気 平気。 今度こっちにして。 なんか チンタラしてて つまんねえなあ。 (六助・七男)お兄ちゃん 頑張れ! (不良)おい! ほら もっと頑張れよ湾中のハゲ! (不良)頑張れよ おめえ。 お前も1発ぐらい殴んないと まずいよ。 いいよ 俺 そういうキャラじゃないし…。 どうしたー!? 真面目にやれ! (橋本)ほら 早く。じゃあ 最後ね。 いってえな…。 え? 痛えよ! やめろ…! ちくしょおぉ! (小松)あれ? あれあれ? やばいよ。 マジだよ! あいつらマジだよ! アッハッハ! いいぞ いいぞー! 四郎兄ちゃん! 才悟 行くな。 でも…。 あいつは 今 殻を破ってる最中なんだ。 (生徒たち)やめろよ! やめろってユウキ! やめろ! ユウキ! ユウキ やめろって! (児童)早く立てよ! (児童)しつけえな!わああぁぁ!さてと… そろそろ警察呼んでくる。 えっ? (七男)呼びに行く! ちょ… ねえ おじいちゃんたち! (兎)警察 行くぞ! 才悟。 ん? 四郎兄ちゃん かっこいいな。 うん。 俺も 前は あんな単純だったんだけどなあ。 いつから こんな面倒くさい奴に なっちゃったんだろ。 面倒くさくていいんじゃない? え? 面倒くさい問題を抱えてくれる 面倒くさい長男がいるから みんな のほほんとしてられるんだって。 言ってた。 誰が? フフン。 教えない。 才悟 お前 急にどうした…? (カーステレオ) やべっ! サム先輩だ! (カーステレオ) (不良たち)ちわっす! (サム)おう。 あっれ~? 一男くんじゃん! 何やってんの? あ… あれ 弟なんです。 (サム)マジで!? 何? すっげえじゃん! 何? 野球部? はい。 今度連れてきちゃいなよ 試合。 あーーっ!! たらいま。 適当に座っちゃって。 たらいまじゃないよ お前。 どうした? お前ら その顔。 ああ ケンカした。 ちょっと やりすぎたね。 (橋本)だって警察来たもんなー! アハハハハ! 来たな。 アハハハハ…! 母ちゃん 腹減ったから なんか作って。 え? なんかっつっても…。 よし! おじいちゃんも手伝おう。 (恵・兎) 〈特製 兎の紅赤デザート〉 (恵)〈お父さん 相変わらず いい手つきね〉 (兎)〈しっぽの先まで うまいんだ〉 (恵)〈皮も 飾り付け用に とっておくの〉 (兎)〈オーブン ちょっと小さいなぁ〉 〈パン耳ラスクか…〉 (五月)おお~! (恵)〈大丈夫。 みんなの分もあるわよ〉 (恵)〈あつあつの紅赤に 冷た~いアイス〉 (兎)〈芋にアイスは 合うんだよね〉 〈そっち大丈夫? あ ちょっとこぼしてない?〉 あ 全部落ちちゃった。 (恵)はい どうぞ! (一同)いただきまーす! ≪うんめー! ≫うんめー! ≪うまいよな! めっちゃうまい! 紅赤も食べてな。 四郎 写真撮らせろ。 お父さん…。 だって今時 こんな顔腫れるまで ケンカする中学生 いないよ? おい 並んで! (実)はい! (カメラのシャッター音) (実)よし もう1枚! (カメラのシャッター音) (実)よーし! 皆さん あの…。 もう四郎の事を いじめないでくださいね。 いじめないよ。 だって親友だもんな! 親友かどうか わかんないけど とりあえず キレたら 恐ろしいって事わかったから。 ほんと ごめんなさい。 (生徒たち)ごめんなさい! やめろって 俺 そういうキャラじゃねえし。 四郎も もうケンカしないでね。 しないよ。 ほんとに? 母ちゃん 心配しすぎ。 (兎)そうだぞ 恵。 兄弟が多いんだから 一人一人心配してたら 体 もたねえぞ。 何人兄弟とか 関係ないです。 母親にとって みんな ひとりっ子みたいなもんなんです。 そのつもりでやってます。 (恵)あ ちょ… 食べて。 食べて 食べて。 おじいちゃん おじいちゃん。 (ヒロユキ)あ あの… 朝ですよ。 うるせえ。 〈兎のおじいちゃんは 同窓会が終わっても 埼玉に帰ろうとせず…〉 いや~! 朝飯…。 いたっ! 朝飯って みんなで食うと うまいね 実さん。 そうですね! 長男の嫁がズボラでね。 朝食なんてね コーンフレークに 水道水かけて出すんですから。 もう川越の話はやめて! うんざり。 〈真田家は12人〉 〈メグミも入れると 13人家族になっちゃいました〉 あ 一男。 そろそろ推薦入学の件 先生に…。 わかった。 じゃあ いってきます! (一同)いってらっしゃーい! おお~! ナイスバッティング! (サム)お前の弟 すげえな! ありがとうございます。 よし 行ってこい! 送りバントで俺に回せ! (ドアベルの音) いらっしゃいませ。 あ… 先生。 あ どうも。 一男 ちょっと出かけてますけど。 ストライク! 面倒くさい問題を抱えてくれる 面倒くさい長男がいるから みんな のほほんとしてられるんだって。(サム)ん? バントじゃねえのか?(サム)おっ いけ! いけ いけ いけ!走れ 兄ちゃん! (尾女田)昨日の放課後 一男くんが職員室に来まして。 まあ 彼の事だから ご両親に 相談していないんじゃ ないかと思って。 え… え? なんですか? 推薦入学の手続きを 取り消したいと。 一男くん 進学を諦めるそうです。 (サム)よっしゃー! よーし いけー! (サム)いけいけ いけいけ! いけいけ いけいけ! (サム)よーし よしよし! 回れ 回れ 回れ…! (尾女田) 一応 説得はしたんですが まあ… ご家庭の事情でもありますし。 え? ああ そうだ。 あのね…。 これ… つまらないものですが。 え? な… なんですか? これ。 おめでた なんですよね? えっ!? 私が? ええっ!? (応援する声)セーフ! うおーっしゃあぁ! すげえじゃん 兄ちゃん! ランニングホーマーだよ! やれば出来んじゃん! 結婚しよう! え…? 俺 卒業したら働くから! 子供産んでよ!すいません! あの…。 僕たち結婚します! ずっと言いたくて 言えなかったんですけど 実は… ソアラのお腹の中には 僕の子供がいるんです! お兄ちゃん…。 だから あの… すいませんけど 別れてください!ソアラさんを 僕にくだ…。 兄ちゃーん! これなんだ? サムって男 なんとかしないと。 (サム)この野郎! ええ~? 男ってさあ… 浅はかだよね。 (ソアラ)どういう意味? (五月)萬田久子が言ってたの。 家族を養っていかなきゃ いけないので。