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(操作音)
(弘史)どうぞ
(慎二)シャンパンって言ったろ
(弘史)えっ 田神さん
ビールって言いましたよ
(慎二)清美
後で ちょっと話せないか?
(清美)ごめん
この後は ちょっと
(麻衣)遅いよ 清美。
もう 何してたの
(清美)ごめん。 あと15秒
(麻衣)大丈夫かな ホントに
(友江)どうなっても
もう引き返せないよ
(清美)最高のミレニアムになる。そう信じよう
(友江)10 9
(麻衣)弘史。 田神さんも早く
(友江)7
(麻衣・友江)6 5
(一同)4 3 2 1
ハッピー ニュー ミレニアム
(弘史)ミレニアム
(クラッカーの音)
(銃声)
助けて お願い 助けて
(銃声)
(作業員)おい ちょっと来てくれ!(パトカーのサイレンの着信音)
(桜木)はい 桜木。
(塚本)事件だ 桜木。
(桜木)現場は?
新登場らしい。
新登場? じっ 事件が。
(塚本の くしゃみ)
(塚本)悪い 花粉症。
エビバーガー 新発売なんだよ。
一番に食いてえだろ。
いや あの。
俺もう庁舎に着いちゃってさ。
庁舎に着いちゃっ…。
庁舎に着いちゃって。
(くしゃみ)
(道尾)おはようございます。
お前まだ外だろ?
買ってきてくれる?
えっ あの あの 塚本さん?
(くしゃみ)
じゃ よろしく。
(道尾)承りました。
もしもし? 塚も…。
(不通音)
(ため息)
あと15分で戻んないと遅刻かよ。
泊まりで遅刻とか
あり得ないんだけど。
(高峰)はい 高峰。
珍しいですね
高峰さんがファストフードなんて。
頭 すごいけど。
えっ? あっ。
うちの子が
ここのグッズ集めてるの。
最近 相手してないから…。
スカンクで。
ご機嫌取り?
わたしも買い出し頼まれて。
一緒に注文してくれません?
(高峰)あなた刑事でしょ?
社会のルールは守りなさい。
(ノック)
(倉田)失礼します。
(長嶋)倉田。
(倉田)はい。
(長嶋)お前にだ。
(倉田)また買っちゃったんですか。
いいかげん
あきらめたらどうですか。
室長には禁煙は無理ですよ。
(長嶋)やっと1週間だよ。
ここで あきらめたら
せっかくの努力も水の泡になる。
昨日 奥多摩スカイライン
建設予定地から
白骨死体が見つかった。
(倉田)昨日。 なぜ うちに。
遺体は 迫田 麻衣の可能性が高い。
なるほど
ミレニアム最初の事件ですね。
(長嶋)捜査一課長から正式に
再捜査の要請が来た。
お前のところで やってくれるな。
(倉田)分かりました。
(長嶋)あっ それから
これをカメに渡してくれ。
(倉田)はい。
(道尾)ご苦労さまです。
(高峰)人 殺して よく のうのうと逃げてられるよね。
(深沢)手掛かりつかめない
捜査本部も
どうかと思いますけどね。
(三井)失礼します。 白石さん
八王子事件の関係者から
情報提供だそうです。
(白石)おう 後で行ってみるか。
(塚本)三井ちゃん
三井ちゃん 三井ちゃん。
行きつけのスポーツジムが
あんだけど
今度 一緒に行かない?
(三井)興味はあります。
(塚本)ホントに? ウフフ。
塚本さん。
遅えよ。
わっ 間に合った。 あっ お金…。
≪(倉田)桜木。
はい。
(倉田)証拠品管理センターに
行ってくれ。
再捜査ですか。
ああ。
東都銀行3億円事件の再捜査だ。2000年 2000年。
あった。
[テレビ](リポーター)え~
警察の発表によりますと
3億円の行方は
依然つかめておらず
警察は横領事件と見て
捜査を進めています
[テレビ](木村)すいません
すいません
お騒がせいたしまして
申し訳ありません
[テレビ](リポーター)え~ 捜査本部は
事件直後から
行方が分からなくなっている
東都銀行 中之橋支店勤務の3人が横領したものと見て
大貫 清美 飯島 友江 迫田 麻衣を全国に指名手配しました
(塚本)迫田 麻衣?
その白骨死体が?
(倉田)遺留品に
彼女の社員証があった。
今 本人かどうか確認中だ。
(高峰)OL3人の華麗な犯行。
当時 結構 話題になったよね。
(塚本)本人だとすると
仲間割れですかね。
でも彼女たちは
親友同士だったみたいですよ。
(深沢)3人とも動機は金だ。
友情なんて金が絡めばもろいだろ。
動機 動機 動機。
(白石)迫田 麻衣は 恋人の借金。
飯島 友江は ブランド好きで
カード破産寸前。
主犯の 大貫 清美は 親の借金。
彼女が主犯?
(白石)自宅から横領に使われた
ウイルスソフトが見つかった。
みけんに銃創か。
(深沢)統計的に見て
女が銃を使う犯罪例は少ない。
残りの2人のほかに
共犯がいるかもしれませんね。
(倉田)あらゆる可能性を
視野に入れて捜査してくれ。
(深沢)科捜研 行ってきます。
そろそろ 結果 出てますよね。
わたしも行きます。
(倉田)あっ 桜木。
はい。
(倉田)室長から課題だ。
またですか。
迷惑なら伝えておくぞ。
いえ いえ いえ。 いってきます。
何だ これ。
18年前 メキシコの動物園で起きた強盗事件。
荒らされた事務室のあちこちに
土が付着した
この手形が残っていた。
事件の犯人像が
室長の課題なんです。
でかっ。
あっ ギネスブック見れば
犯人 分かるかも。
バカにしましたね?
冗談ですよ 今 言ったこと。
(道尾)いってらっしゃいませ。(大森)照合の結果 迫田 麻衣と
白骨のDNAが一致した。
両親に連絡するの
めんどくさいんだよね。
「死体がお宅のお子さんでした」
なんて知らせて
喜ぶ親なんていないでしょ。
(深沢)人を喜ばせたかったら
転職しろ。
(大森)確かに。
(大森)お見立てどおり凶器は銃。
(秋山)検視報告書だと
至近距離から みけんを撃たれ
それが致命傷になったようで。
(大森)ぐちゃぐちゃだったろうね
脳みそ。
うわ~。
(大森)女の子の そういう顔って
大好き。
(深沢)射入口と射出口
相当ずれてるな。
被害者は見上げた状態で撃たれた。
ということは 犯人は
相当 身長が高いってことですね。
(竹林)なるほど 弾道の角度から
身長差を計算すると
犯人は3.8mってことに。
でかっ。
(深沢)お前は
ギネスブックでも見てろ。
犯人は ひざまずいて
命ごいしてる被害者を
撃ち殺したんだ。
ひどい。
(大森)彼女
死んでから10年近くたつみたい。
事件後
すぐに殺されたってことですか。
(大森)おそらく。
恥骨結合面に
波状の溝模様が見えるでしょ?
この感じだと20代中盤。
事件当時の 迫田 麻衣って
確か25だったよね。
同い年なんですよね わたし。
だったら
あなたの恥骨も こんな感じよ。
(竹林)それと
遺留品からメモが見つかりました。
スキャニングしてくれ。
(竹林)はい。
何ですかね これ。
んっ 分かりました 数字の意味。
「わじまこうた」って読むんですよ。
ポケベルの文字配列です。
小学校のころ
1人で留守番してるとき
よく母にメッセージ送ったんです。でも何の暗号だろ。
まさか真犯人?
その配列は「わじみけうた」だ。
ずいぶん斬新な名前だな。
あっ ホントだ。

(深沢)深沢です。
お前の読みどおりメモの数字は
銀行の口座番号だった。
それで口座の名義人は。
(一同)ハッピー
ニュー ミレニアム
(弘史)ミレニアム
(クラッカーの音)
ことしこそ
お店の借金 返せるよ
(弘史)そんなうまいこと
いくかな
(麻衣)絶対うまくいく。
そしたら結婚しよ
ああ
(リポーター)それではオーナー
今回の視聴者限定サービスとは。
ディナーを召し上がって
いただいたお客さまには
シャンパンを1杯
サービスさせていただきます。
(リポーターたち)お~。
深沢さん わたし 聞き込みの
質問リスト作ったんですけど。
(深沢)お前は いつもどおり
黙ってメモってろ。
(スタッフ)はい OKです。
(リポーター)お疲れさまでした。
(弘史)すいません。
次の取材もあって
あまり時間がないんです。
(深沢)タレント並みですね。
(弘史)とんでもない。
それで何か 捜査に進展でも
あったんでしょうか。
いえ ありません。
定期的な聞き込みです。
まだ麻衣は見つからないんですね。
(深沢)あれから
彼女から連絡などは。
いえ 何も。
(深沢)テレビ取材が来るように
なるまで苦労したでしょう。
当時は店の借金も
だいぶあったそうじゃないですか。
(弘史)喪失感をばねに
ただ地道にやってきただけです。
地道に。
これは
あなたの口座番号ですよね。
横領事件の半年後 この口座に
「ミレニアム」という名義で
500万が振り込まれてました。
その直後
あなたは借金を完済した。
迫田 麻衣から 500万 受け取り
残りの金も奪って
殺したんじゃないですか?
バカバカしい
何を根拠に言ってるんですか。
(深沢)昨日 迫田 麻衣の遺体が
発見されました。
このメモは その遺留品から
見つかったんですよ。
麻衣が死んだ。 そんなはずはない。
(深沢)そんなはずはない?
何か知ってるんですね。
いや 殺されたなんてショックで。
いつか会えると思ってたんですよ。
愛してるんです 今でも。
(弘史)500万は
突然 入金されてたんです。
店がつぶれる瀬戸際で
渡りに船というか。
誰が振り込んだかは
ホントに分からないんです。
(深沢)そうですか。
また伺いますよ。
あなたが
迫田 麻衣 殺害の容疑者から
外れたわけではありません。
お忘れなく。
失礼します。
(弘史)待ってくれ。
思い出したことがある。
(清美)いえ
ちょっと気になって
大変なときに すいませんでした支店長
(弘史)何かあった
(清美)仕事で ちょっとね
でも大丈夫
(麻衣)弘史 どこ行ってたの
(清美)そろそろ行くよ 麻衣
(麻衣)やだ まだいいじゃん
弘史と一緒にいたい
(清美)ちょっと麻衣
いいかげんにして。
全部 ぶち壊す気?
(弘史)麻衣 どこ行くんだよ
(友江)秘密。 じゃあね
(麻衣)あっ やだ
(清美)行くよ
泥酔した 迫田 麻衣は
足手まといになったから
殺されたんですかね。
でも つらいですよね
愛する人が殺されたなんて。
(深沢)そうだな。
あれ? まだ疑ってるんですか?
(深沢)宮本は証言を隠してた。
簡単に信用できるか。
ああいうやつは
じわじわ追い込む。
性格 悪っ。
(白石)おっ 係長
興味深いもの見つけましたよ。
(倉田)あの 2人でいるときぐらいいいかげん敬語やめません?
僕は一課時代 白石さんに
よく怒鳴られた口なんですから。
(白石)いや そうは言っても
上司ですから。
(倉田)やりにくいな。
お互いさまだ さっさと見ろ。
(木村)こちらの窓口になります。
ありがとうございました。
(塚本)すいません。
(木村)はい。
木村 行信さんですね?
(木村)そうですが。
3億円横領事件のことで お話を。
≪(清美)もう やめようよ
≪(友江)いまさら
いい子ぶらないでよ
≪(麻衣)大丈夫だって
前もバレなかったじゃん。
だから お願い
次も 50万 山分け。 ねっ?
(友江)わたし
ホントにヤバいの
清美だって お母さんに
楽させたいんでしょ?
それに 田神さんに
借金のこと話してないって
結婚したいなら早く返さないと
まずいんじゃないの?
(清美)でも
こんなこと やっぱり
(友江)じゃあ 清美は
2,000万なんて借金
どうやって返してくつもり?
分かってるんでしょ?
ほかに方法がないことぐらい
(麻衣)そういうこと。
じゃあ よろしくね
(木村)君 まさか横領なんて
(くしゃみ)
(塚本)50万円の横領
もみ消したんすか。
(木村)確か
夏の終わりごろでした。
善意だったんですよ。
でも それが 3億円事件の捜査で
バレたら 一発で首ですよ。
だから黙ってたんです。
ミレニアムの夜
大貫君から連絡があったこと。
(塚本)で?
そんな夜中に 何 話したんすか。
(木村)あの年の大晦日は
大騒ぎでした。
覚えてるでしょ 2000年問題。
それを心配して
連絡をくれたんです。
(塚本)信じられませんね。
あんたホントは
大貫 清美と結託して 3億円
横領したんじゃないんすか?
いいかげんにしてください。
こっちは被害者ですよ。
わたしはね
あの3人を許しませんよ。
監督責任 問われて
こんな田舎 飛ばされたんだ。
(塚本)木村は関係なさそうだな。
(塚本の くしゃみ)
(塚本)横領にかかわってたら
あんな しょぼくれてねえだろ。
手元のボタン ずっと いじってた。
あっ?
(高峰)手元の物を
無意識で執拗にいじる人間は
ストレスを
内に ため込む傾向がある。
しかもボタンは取れかかってた。
つまり そういう行動を
いつも行っている。
ため込んだストレスの発散が
犯罪の動機になるケースは
珍しくない。
横領に手を貸す可能性は
じゅうぶんあり得る。
高峰主任お得意の
プロファイリングってやつですか。
当てになるんすかね んなの。
(竹林)ヤベえ
よく見つけましたね これ。
コアな犯罪マニアのスレッドで
話題になってたし
俺も 結構 探したんすよ。
(白石)殺人マニアの裏サイトを
シラミつぶしで探して
やっと見つけたよ。
(竹林)さすが たたき上げ。
ネットでも地取り捜査だもんな。
ネットとパソコンは
所轄にいたころ
師匠に たたき込まれたからな。
おかげで
いい暇つぶしに出合えたよ。
(竹林)白石さんの
のみ込みの早さも
ヤバかったっすよ。
その年にしては。
大貫 清美っすね。
顔の特徴点が一致しました。
(竹林)足 撃たれてますけど
死んでるかは微妙っす。
まあ 肝心なとこ写ってないんで。
世も末だな。
こんなもん撮るやつも
ネットに流すやつも いかれてる。
じゃあ 場所の特定よろしく。
あしたの朝まで。
(竹林)はっ
そんな短時間じゃ無理っすよ。
(白石)師匠ならやれるよ。
あんた期待に応える男だ。
うまいよな。

(深沢)深沢です。
(白石)白石だ。
大貫 清美は
すでに殺されてるかもしれない。
(深沢)面白くなってきましたね。
詳細は後で聞きます。
何かあったんですか?
(深沢)俺は署に戻る。
まだ聞き込みありますけど。
大貫 清美の母親。
(深沢)そっちは任せた。
えっ わたし1人で
行っていいんですか?
高峰さんに任せたんだよ。
期待させやがって。
(リポーター)すみません 娘さんが
おなかの中にいたときですよね
だんなさんが経営してた工場が
倒産して蒸発したのは
(リポーター)娘さんは
その借金を返済するために
(聡子)何かの間違いです
(リポーター)2人きりの
親子だったんですよね。
お母さんのために
娘さんは 3億
横領したんじゃないんですか?
あの子が
そんなことするはずありません
(高峰)どんだけ飢えてんのよ
あんた。
違いますよ。
お子さんにと思って。
(高峰)悪いわね
気 使ってもらって。
これ かぶってるからいいわ。
あの 実は先輩に
折り入ってご相談が。
(高峰)これって そういうこと。
姑息ね。
何て言われてもいいです この際。
あの わたしに聞き込み
任せてもらえませんか?
(高峰)メモ係が嫌なんだ。
違いますよ。
わたし何やってんのかなって。
特命に来て3カ月
資料 読んだり メモ取ったり
そんなんばっかりで。
わたしも
犯人逮捕に貢献したいんです。
お願いします。
(ため息)
駄目か。
アニマルコンボ
2,000円もしたのに。
(高峰)大貫 清美
殺されてるかもしれない。
えっ?
(高峰)聞いてないの。
インターネット上で
彼女が銃で撃たれてる映像が
見つかったのよ。
そのこと母親に黙ってられる?
あっ はい。
聞き込みの目的は
この10年の間に 大貫 清美が
母親に接触したのかを探ること。
いい?
ありがとうございます。
(聡子)パートの途中なんですけど。
お忙しいところ すいません。
警視庁捜査一課の桜木です。
捜査一課の高峰です。
10年前の事件のことで
お伺いしたいんですけど。
(聡子)今ごろ何の用ですか?
実は昨日 迫田 麻衣さんの遺体が
発見されました。
うちの娘がやったんですね。
えっ?
はっきりおっしゃってもらって
構いませんよ。
あっ いや それは まだ あの 
捜査中で。
事件後 娘さんから
連絡が来るようなこと
ありました?
そちらの捜査で
分かったことはないんですか?
それは お話しできないんです。
(聡子)捜査の話はできなくて
こっちには話せって
おっしゃるんですか。
10年もたって
突然 また やって来て
虫のいい話ね。
娘からは この10年
何の連絡もありません。
もう関係ないんです。
どうせなら
死んでくれてた方が ましだわ。
(聡子)そろそろ
戻らなきゃいけないので
失礼します。
無実を
信じてたんじゃないんですか?
2人だけの家族だったんですよね。どんなことがあっても
信じてやるのが
母親じゃないんですか。
何で そんな ひどいこ…。
(聡子)わたしは
娘の罪を受け入れたんです。
あの子は犯人なんです。
人殺しも やったに決まってる。
待ってください 大貫さん。
大貫さん。 放してください。
(高峰)あの人は
これ以上 話さないわ。
これが あなたの力。
お勉強できた?
えっ?
あなた気付いてる?
犯人逮捕に貢献したいとか
言ってたけど
そんなの
あんたのエゴだってこと。
あの母親に
娘が犯人だって言い続けたのは
わたしたち警察。
それから10年
彼女が どんな思いで生きてきたか想像できる?
未解決事件の関係者の傷は
流れた時間の分だけ深いのよ。
覚えておきなさい。
(塚本)大貫 清美が
殺されてるとなると
唯一 残った 飯島 友江が
犯人ってことか。
(白石)飯島 友江は
両親も すでに死んで
身寄りがない。
(深沢)行方をつかむのは難しいか。
木村 行信は どうだった。
(塚本)自分の所見ですが
木村の行動から
ストレスをため込む傾向が
見えました。
ストレス発散が
犯罪の動機につながるケースは
珍しくありません。
係長がおっしゃったとおり
あらゆる可能性を考えて
木村の捜査も続行すべきです。
(倉田)高峰 お前は どう思った。
同意見です。
桜木。 大貫 清美の母親からは
何か聞けたか。
すいません 新しい証言は特に。
(深沢)高峰さん 木村の行動分析
あれ ホントは高峰さんでしょ。
脳みそが筋肉のやつには
無理ですよ。
別に誰の意見でも
いいんじゃないの?
(深沢)自分のプロファイリングに
自信がないんですか?
噂は本当だったみたいですね。
杉並事件の失敗がトラウマで
プロファイラー辞めて
刑事に戻ったって。
そんな昔のこと忘れたわ。
(高峰)未解決事件の
関係者の傷は
流れた時間の分だけ深いのよ
最低だ わたし。
≪(足音)
(長嶋)おい カメ
今日も泊まるつもりか。
お疲れさまです 室長。
けさ渡した課題の答えは
分かったか?
いいえ ギネスブックにも
載ってませんでした
こんな大きな手形。
まさかゴリラ。
ないですよね。
ちょっと付き合え。
えっ?
うちに来て3カ月か。
どうだカメ 特命は。
わたしは最低な刑事です。
今日も失敗しました。
(長嶋)相変わらず
のろまなカメってことか。
カメカメ言わないでくださいよ。
んっ! あっ。
(長嶋)やみくもにバットを振るな
カメ。
えっ?
なぜ空振りをしたか考えるんだよ。
そうすれば
意味のある空振りになる。
捜査も同じだ。
失敗を
ただの失敗で終わらせるな。
あっ 課題のヒントをやるよ。
灯台下暗し。
おいじゃ ご苦労さん。
灯台下暗し?
(歓声)
何? 朝っぱらから 大声 出して。
嘘 徹夜?
(竹林)例のビデオの撮影場所
分かったんすよ ヤバいっしょ?
(大森)また白石さんに
言われたの? よくやるね。
俺 白石さんに学んだんすよ。
手間を惜しまない
地道な捜査だけが
真実に たどりつくって。
ヤベえ 今 俺 めちゃめちゃ
カッコイイこと言った。
(大森)要するに
うまいこと言って使われてんだ。
(竹林)心が すさんでる
独身のアラサーが。
(深沢)田神 慎二ですか。
(倉田)うん。
銀行の防犯カメラ映像が残ってた。
(高峰)田神って
大貫 清美の恋人ですよね。
(塚本)宮本とは
大学時代の 先輩 後輩だったな。
宮本の口座に
500万を振り込んだのは田神だ。
田神をたたけば
宮本を追い込む材料が見つかるな。
(白石)おっ ビデオの撮影場所が
分かりましたよ。
棚沢周辺に間違いないそうです。
そっから 大貫 清美の遺体が
出るかもしれませんね。
ああ。
(倉田)塚本と深沢は
大貫 清美の捜索。
(塚本)はい。
(深沢)すでに遺体が発見されてる
可能性もありますよ。
(塚本)うっせえんだよ。
(倉田)そっちの方は俺が当たる。
(白石)俺は 映像をネットに
アップしたやつを捜します。
(倉田)お願いします。 2人は
田神の聞き込みに当たってくれ。
(高峰・桜木)はい。
(倉田)少しでも
該当するものがあったら
教えてください。
(捜査員)はい。
こちらです。
(弘史)DEE社の
新しいシステムの
サンプルデータです。
金 出したら
向こうのエンジニア
すんなり渡しました
(慎二)悪かったな。
これで うちがコンペで勝てる
(弘史)あっ あと これ
頼まれてた おまけっす
別の日にも その男と
何度かホテルに行ってます
何も 仕込む必要なんて
なかったっすね
かえって気が楽になったよ
あいつも
やることやってんじゃないか
(弘史)相手の男のことも
調べます?
いや 相手には興味ないよ
(高峰)ご結婚は横領事件から
半年後だったそうですね。
この会社を始められて すぐ。
(慎二)ええ
妻の父の協力もあって
この会社を始める資金繰りも
うまくいきました。 どうぞ。
(高峰)切り替えが早いんですね。
半年前まで 大貫 清美と
恋人関係にあったのに。
(慎二)刑事さんは
昔の男を引きずる方なんですか。
俺は うっとうしいですね
そういう生き方。
ところで 宮本 弘史さん
借金から解放されたのは
ご存じでしたか?
ちょうど あなたが
結婚したころです。
さあ 知りません。
もう何年も会ってないので。
(高峰)事件前までは
頻繁に会ってたんですよね。
大学の後輩の中でも
特に面倒を見ていたと。
(慎二)時がたてば
人の付き合いも変わりますよ。
本当に時がたったせいですか?
(高峰)宮本さんに
500万円が振り込まれた
ATMの防犯カメラ映像です。
写っているのは あなたですね。
(慎二)何かの偶然でしょ。
そんな言い逃れ 通用するとでも?
(慎二)まあ 無理でしょうね。
昔から 宮本には色々と
汚いことをやらせてました。
それを全て妻の父親にバラすと
脅してきたんですよ。
それで500万を。
こっちも結婚を控えてたし
穏便に済ませたかった。
彼にやらせた
汚いことというのは?
こっちの身元がバレないように
仕事関係の裏取引の
使いをさせたり あとは…。
(千里)あした
2時のフライトだったよね
(慎二)無理しなくて
よかったのに
あ~あ
3カ月も会えないのか
あっ お父さんがね
独立の話 詳しく聞きたいって
話してくれたんだ ありがとう
じゃ あした
(清美)慎二?
(清美)お母さんがね
慎二に会いたいって
えっ 話したのか 俺のこと
(清美)うん
結婚したい人がいるって
いけなかった?
なあ 清美
俺たち 少し 距離 置かないか(清美)えっ?
ちょうど俺も3カ月
ニューヨークに出張だしさ
ゆっくり考えたいんだ
結婚のことも
何で?
ごめん 出発の準備
まだ終わってないから
もう行くよ
別れたくない
(慎二)今度 ゆっくり話そう
慎二と
幸せな家庭をつくりたいの
悪いな また
何で? ねえ。
わたし 慎二のために ずっと
(慎二)弘史か?
お前に ちょっと
頼みたいことがあんだ。
別れたい女がいる
ああ 清美だ
ったく あの男 別れ話するために
宮本に浮気写真を撮らせたなんて。
でも あの時期に
大貫 清美の監視をしてたなら
宮本が横領の計画を
知ってた可能性もあるわね。
何 深刻な顔して。
おなかでもすいた?
怒らないで聞いてもらえます?
何それ。
昨日 怒られたから
発言に注意しようと思って。
めんどくさいこと言ってないで
さっさと言いなさいよ。
大貫 清美は ホントに
3億円も横領できるような
人だったんでしょうか。
えっ?
だって
幸せな家庭を夢見てたんですよ?
そのための50万の横領だって
すぐにバレちゃって。
そんな人が あんな大それたこと
するんでしょうか。
だって
やった証拠が出てるじゃない。
そりゃそうですけど。
(高峰)何か出た?
(深沢)遺体どころか
手掛かり1つ出ませんでしたよ。
(塚本)そっちは?
宮本は横領の事実を
事前に知ってた可能性がある。
任意で引っ張る価値はあるわ。

特命4係 桜木です。
えっ? 遺体が見つかりました。
やっぱり殺されてたんですね
大貫 清美。
いや 遺体は 飯島 友江だった。
どういうことですか?
(倉田)5年前に
今回の捜索現場付近の湖から
白骨化した身元不明の銃殺遺体が
発見されていた。
DNA照合の結果
飯島 友江 本人と確認できた。
(塚本)3人とも
殺されてたってことか。
(深沢)あなたは
大貫 清美の監視をして
3億円の横領計画を知った。
それで3人を殺して金を奪った。
いいかげんにしてください。
俺は関係ない。
(深沢)いいんですか?
いつまでも しらばっくれてて。
有名レストランのオーナーが
3億円事件の容疑者を
監視していた変態行為発覚。
特ダネですよね これ。
ちょっと それ
脅迫じゃないですか。
(深沢)でも事実でしょ?
監視してたのは。
(弘史の ため息)
認めるよ 認める
計画は知ってた。
でも 俺は ただ
麻衣から連絡を待ってただけだ。
生きてるって信じて
待ってただけなんだよ。
[無線](麻衣)清美
大丈夫なの? 体
[無線](清美)大丈夫 何とかなるよ
[無線](麻衣)お母さんのこと
残して行けるの?
[無線](清美)分かってくれる。
お母さんも同じだったから
[無線](友江)そんなことより
ホントに逃げ切れんだよね
[無線](清美)わたしたちが殺される
ビデオ撮影して
事件に巻き込まれた被害者を
装うの
そうすれば疑われない
[無線](友江)そんなんで
うまくいくのかな 清美
[無線](清美)生まれ変わって
やり直すには これしかないよ
清美だよ 殺したのは。
あの女は生きてる。
2人を殺して
しゃあしゃあと生きてんだよ。
(塚本)ふ~ん。
ビデオは 大貫 清美の
偽装工作だったっちゅうわけか。
(高峰)偽装のために
足まで撃たせたってこと?
(塚本)3億のためなら
足ぐらい安いもんだろ。
(白石)一応 科捜研に
合成の疑いがないか
当たってもらおう。
(塚本)宮本は 絶対 共犯ですよ。
たたけば まだ何か出ます。
(倉田)やつは任意同行だ…。
大貫 清美の体を心配してた
病気?
(塚本)物証なんかなくても
強引に たたきゃ 落ちんだよ。
(深沢)ただ やみくもに突っ込む
機捜のやり方は
どうも 俺には まねできなくて。
(塚本)やっぱ 頭でっかちな…。
大貫 清美と母親は
何が同じだったのか
(倉田)大貫 清美の
映像の出どころは どうですか?
(白石)申し訳ない
もう少し時間がかかりそうです。
(倉田)そうすか。
よし あしたから また
関係者を洗い直しだ。
(一同)はい。
(倉田)桜木。
(高峰)お疲れさまでした。
(倉田)おい 桜木。
はい はい。
(倉田)お前 今日は もう帰れ。
あした非番だろ。
もうちょっと
調べたいことがあって。
休むのも仕事のうちだ。
一度 事件のことは忘れろ。
でも 家に帰っても…。
(倉田)桜木。
はい。
今日は いいから帰れ 絶対だ。
はい 絶対 帰ります 帰ります。
(倉田)よし。
俺が 色々 言われんだから。
また泊まってしまった。
おい カメ
すっかりマイホームだな。
すいません。
おはようございます 室長。
どうしても調べたいことがあって。
一晩かけてか? 何か分かったか?
いえ まったく成果なしでした。
フフ すがすがしく言うところが
お前らしいな。
室長 子供が親を捨てるときって
どんなときなんですかね。
唐突だな。
何とも言えないが
必ず理由があることだけは確かだ。
たまには巣に帰れよ カメ。
あの この間は軽率なことを言ってすいませんでした。
(聡子)あっ
余計なことしないでください。
1つだけ お聞きしたくて。
娘さん 病気か何かに
かかってませんでしたか?
病気?
心当たりありませんか?
(聡子)かかってませんでしたけど
どういうこと?
答えられないんでしたね
捜査のことは。
考えれば考えるほど
分からないんです。
なぜ娘さんが
3億円も横領したのか。
それに 何の理由もなく
お母さんを残して姿を消すとは
思えなくて。
同じなんです。
わたしも
小さいころに両親が離婚して
母が1人で育ててくれました。
そんな母を残して 姿を消すなんてわたしにはできません。
きっと清美さんも
そう思っていたんだと思います。
お母さんも 本当は どこかで。
すいません。
失礼します。
(聡子)桜木さん。
でしたよね お名前。
[テレビ]年末の風物詩として
毎年 多くの買い物客で にぎわう
東京 上野…
(聡子)おっ 何?
(清美)ねえ 後悔してない?
わたし産んだこと
えっ 何よ 急に。 変な子ね
(清美)だって大変だったでしょ
1人で育てるの
大変だったわよ
でもね あなたが
おなかにできたとき思ったのよ
ただ この子に会いたいって
会えて幸せだった
だからね
後悔なんかしたことないわね
そっか
何かあった?
(清美)ううん
もう行くね。
友達 待ってるから
(聡子)うん。
あっ お雑煮 作っとくからね
(清美)ごめんね お母さん
(聡子)えっ?
(聡子)娘の無実を信じてました。
でもマスコミや警察に 犯人だと
言われ続けているうちに
ふと その日のこと思い出して。
(聡子)あの子は 事件を
起こすつもりだったんです。
だから あのとき
わたしに謝ったんです。
でも
もう一度 あの子に会えるなら。
突き止めます。
娘さんに何が起こったのか。
手掛かりはあるんですか?
今は何も。
でも でも突き止めます。
失礼します。大貫 清美は
被害者を装うために
ここで
偽装ビデオの撮影を始めた
あっ 塚本か。
大貫 清美の殺害映像を
ネットに流したやつが分かった。
三宅 卓 29歳。
中古パソコンショップの
アルバイト店員だ。
(道尾)三宅! 確保。 三宅 確保。
(塚本)逃げられると思ってんのか。
(三宅)買い取ったパソコンに
入ってた映像
ネットに流しただけだろうが。
うるせえ 変態野郎。
てめえのやったことは
十分 犯罪なんだよ。
おい
あのパソコン持ち込んだ客は誰だ。
障害物で走りづらい道でも
転ばない
足元に注意する余裕はあった
宮本が言ったとおり
このビデオは確かに
偽装のために撮られた
(銃声)
(銃声)
さっきは障害物があっても
転ばなかったのに
何で こんな平らな道で
本当に殺されると思ったここだ
ここまでは演技だった
でも
(銃声)
この後
大貫 清美は 本気で逃げた
本当に殺されると
分かったから
足元なんか見る余裕もなく
(銃声)
ここで 大貫 清美は
行き場をなくしたんだ
(銃声)
最後に守ろうとしたもの。
(高峰)どうしたの あんた。
(倉田)お前 今日 非番だろうが。
大貫 清美は
もう この世にはいません。
同じ場所に立ってみて
分かったんです。
あの映像は確かに偽装工作でした。
でも途中から
本当の殺人に変わったんです。
もう一度 大貫 清美の遺体捜索
お願いします。
あの周辺に
遺体があるはずなんです。
駄目だ。
彼女は妊娠してたんです。
DNA鑑定?
彼女は
産むのを迷っていたそうです。
望まない相手の
子供かもしれないから。
だから相談された産婦人科医が
鑑定のできる民間の研究所を
紹介したそうです。
(高峰)父親は誰か分かったの?
いえ。
ただ鑑定の後
彼女は告げたそうです。
その子を産むと。
大貫 清美は10年も おなかの子と
どこかに埋まってるんです。
だから
早く見つけてあげたいんです。
遺体捜索 お願いします。
酔ってるんじゃない。
(倉田)あの周辺からは
何も出てこなかった。
妊娠以外の確証がないのに
あれ以上の広域捜索はできない。
(塚本)例の殺害映像の出どころ
分かっちゃいましたよ。
(白石)ええ。
(塚本)木村 行信です。
(白石)木村は映像のデータを
消去して売ったようですが
中古ショップの店員が
復旧してネットに流したそうです。
やつは
3億円の横領に関与してます。
おそらく殺しも。
状況証拠は揃ったな。
木村を任意で引っ張ろう。
(塚本)はい。
(ボールペンのノック音)
(木村)やめてくれませんかね
その音。
(ボールペンのノック音)
ホントに覚えがないんですよ。
どうして こんなビデオが
わたしのパソコンに入ってたのか。
(ボールペンのノック音)
勘弁してくださいよ 刑事さん。
いいかげん その音
やめてくれませんか。
(高峰)もうすぐ5時間です。
しぶといですね 木村。
(白石)任意同行の拘束には
限界がある。
否認を続けられたら
釈放せざるを得ない。
≪(ドアの開く音)
≪(三井)桜木さん
DNA鑑定の結果です。
(友江)分かってるんでしょ?
ほかに方法がないことぐらい
(麻衣)そういうこと。
じゃあ よろしくね
(清美)やめてください
(木村)君だって
バラされたくないだろう
いいのか? 首になっても
(清美)嫌
(木村)そっか。
あの女 それを恨んで
わたしのパソコンに
ビデオ仕込んだんですよ。
そうに決まってる。 わたしに
罪をなすり付けようとしたんだ。
(白石)あくまで
しらを切るつもりか。
(深沢)おい 桜木。
大貫 清美は 妊娠してました。
あなたの子供です。
彼女は産もうとしてた。
きっと思ったんです。
生まれてくる子供に
ただ会いたいって。
それが誰の子だとしても。
バカな女だ。
彼女が どんな思いで 産むことを
決意したか分かってんの?
(倉田)桜木。
遺体をどこに…。
(木村)いいかげんにしてくれ。
わたしがやった証拠が
どこにあるんだ。
あるなら見せてみろよ。
科捜研からです。
桜木。
大貫 清美の遺体を捜索するぞ。
はい。
(木村)簡単な計画だ
断れば
君たちの横領は上に告げる
たった50万で身を滅ぼすか
3億で新たな人生を生きるか
答えは簡単だと思うけどね
(電子音)
(銃声)
助けて
(銃声)悪いな 大貫君
(銃声)(鑑識官)触るな。(木村)「悪いな 大貫君」
映像のオリジナルデータから
復元した声だ。
音声解析で お前の声と一致した。娘さんは やはり
横領を行っていました。
そして首謀者の男に殺されました。
清美さんのおなかには
赤ちゃんがいました。
お母さんと同じ道を歩もうと
たった1人で
産もうとしていました。
清美さんが
本当に謝りたかったことは
その子と生きていくために
お母さんの前から
姿を消すことだったんだと
思います。バカだね。
ホントにバカな子だよ。
全部1人で背負い込んで
土の中に10年も。
つらかったね 清美。
(泣き声)
つらかったね 清美。
(泣き声)(白石)ねえ ちょっと
1杯だけ どう?
(塚本)あっ
三井ちゃん 三井ちゃん。
今回の事件さ 何げに最初に
木村に 目 付けたの
俺なんだよ。
(三井)へえ すご~い。
(塚本)だしょ? ウフフフ。
色ぼけ筋肉。
(白石)深沢。
(深沢)仕事とプライベート
分けてるんで。
(高峰)ママね
珍しく早く帰れるの。
何 食べたい? 何でも作るわよ。
お疲れさん。
桜木。 今日は帰れよ 絶対だ。
お疲れさまでした。
白石さん 俺 付き合いますよ。
≪(長嶋)歩みは のろいくせに
行き着く先は始末書か?
現場を荒らして 鑑識から
大目玉 食らったそうじゃないか。
すいません。
あの 室長。
犯人も捕まって
真実も分かったのに
何だか すっきりしなくて。
悔しさが
どんどん大きくなるんです。
それでも母親の時間は動きだした。
えっ?
未解決事件は
関係者を深い悲しみの中に
閉じ込めたまま凍らせてしまう。
俺たちにできるのは
事件を解決して
その悲しみを溶かす
きっかけをつくることだけだ。
それが
被害者の救いになるんでしょうか。
分からない。
でも あきらめれば
被害者に起こった悲劇も
なかったことになってしまう。
ここは最後のとりでだ。
だから やらなくちゃいけない。
たとえ それが
救いになるか分からなくてもな。
はい。
それで?
課題の答えは分かったのか。
はい。 やっぱり あの手形は
ゴリラのものです。
犯人はゴリラだってことか。
いえ 犯人は人間です。
ゴムか何かで
ゴリラの手をかたどって
偽装工作したんです。
根拠は?
足跡です。
もしゴリラが犯人なら
床に足跡が残るはずです。
でも現場写真には
人間の足跡しかなかった。
灯台下暗しって
そういうことですよね。
よく気付いたな。
次の課題 探しとくよ。
まだ続くんですか?
迷惑か?
いえ いえ いえ。
じゃあな カメ。 また あした。
(呼び出し音)
お母さん?
(桜木の母)何だ 泉? 何か用?
何 その言い方。
せっかく かけたのに。
こっちが かけると
いっつも迷惑そうにするくせに。
甘えてるんです お母さんに。
フフフ 勝手な子ね。
いいでしょ 娘なんだから。
何かあった?
別に。 元気だよ すごく。
そう。