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唯吾分享上锁的房间05日文字幕,台词

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(榎本)このドアに
鍵は掛かっていません。
なのに なぜ 開かないのか?
(榎本)それは 家全体が
大きく ゆがんでいるからです。
鍵の掛かっていない
密室というのは
ある意味 とても 厄介です。
なぜなら 鍵があれば ドアは開く。なければ 開かないというような
明確な判断基準が
存在しないからです。
それは 人の心理でも 同じです。
ゆがんでしまった 心の中を
理解しようとするのは
至難の業だと いえるでしょう。
(榎本)この厄介な謎を
解くためには
そもそも この家が なぜ こんなにゆがんでしまったのか?
(榎本)そして その ゆがみが
どんな悲劇を
引き起こしてしまったのか?
まずは それを
話さなければなりません。
(純子)ああ。
結婚式まで
あと 2カ月かぁ。 ここには
いつ 引っ越してくんの?
(美里)新婚旅行が
終わってからかな。
それまで ばたばただから。
(純子)いいなぁ。 何か幸せそう。
(美里)純子は どうなの?
結婚の予定とか ないの?
全然。
したくても 相手 いないし。
(美里)そうなの?
うん。
あの人が
彼なのかと思ってた。
えっ!? やだ。 やめてよ。
えっ? 違うの?
違う 違う。 榎本さんは ただの。
うん?
ただの 何?
えーとね。
クライアントじゃないし。
アドバイザーってわけでもないし。えっと。 何だ?
知り合い? あっ。 友達? えっ?
お待たせしました。
うわっ!
家の構造は
一とおり
確認させていただきました。
まずは 見積もりを出します。
よろしく お願いします。
そういえばさ 昨日 テレビで
手抜き工事の特集
やってたんだけど 見た?
ああ 見た見た。 あれ 怖いよね。
それなら 簡単な見分け方が
幾つか ありますよ。
ホントですか?
まずは 床に ボールを
置いてみてください。
自然と転がるようなら 傾いてるということです。 外に出て
基礎の コンクリート部分に ひびが
ないかを チェックしてみてください。
それと 2階で
跳んだり 跳ねたりして
揺れを感じるようなら 柱の本数が少ない可能性があります。
後は 断熱材が
しっかり 入ってるかどうか
屋根裏を 見てみることも
重要です。
分かりました。
やってみます。
[TEL]
(芹沢)悪いね。 休みなのに。
(里奈)城栄ホームズの
買収契約に
何か 問題でもあったんですか?
(芹沢)分からん。 三井さんは?
(里奈)お通ししておきました。
ありがとう。
亡くなった?
明新工務店の 竹本社長が?
(三井)施工を請け負った先の
一軒家で 転倒し
頭を 強打したようです。
そうですか。
(三井)それで ちょっと
気になる話を聞きまして。
実は その一軒家を
引き渡した直後に 地震が起きて
家が 大きく ゆがんでしまい
手抜き工事だと
クレームを
つけられていたらしくて。
手抜き工事?
工務店側は
施工には 何の落ち度もないと
言ってるようですが
うちとの買収契約を
控えていたこともあって
厚意で 無償補修を
行うことにしたと いうんです。
先生が 明新工務店には
何の問題もないと 言うから
うちは 買収に
踏み切ったんですよ。
もし 手抜き工事が
事実だとしたら
すぐに 買収契約を
解除しなければならない。
分かりました。
こちらでも 早速 調査を行います。(ドアの開く音)
(鴻野)これは これは 芹沢先生。
どうしたんですか?
また 密室の謎解きでも
するおつもりですか?
密室?
(鴻野)インタビュー記事
拝見しましたよ。
まるで 警察なんか
信用できないみたいなこと
言ってましたね。
とんでもない。
警察の見解を 全て
うのみにするのは
早計だと 言ったまでです。
(杉崎)あのう。
(鴻野)こちら
弁護士の芹沢先生です。
家主の 杉崎さんです。
私 城栄ホームズの
顧問弁護士をしております。
先日 明新工務店との
買収契約を 結んだんですが
手抜き工事が あったと聞き
自分も それを確認するために…。
(鴻野)おやおや。
契約が済んでから 調査ですか。
(鴻野)敏腕弁護士とは
思えませんね。
密室事件なんかに
首 突っ込んでるから
本業の方が
おろそかに なるんですよ。
地震で ゆがみが
生じたとのことですが
地震の規模は?
(杉崎)震度 4です。
3週間後に 結婚式を挙げて
引っ越す予定だったんですけど。
それは 大変ですね。
竹本社長は
修復工事の下見に 訪れた際
亡くなられたと 聞きましたが。
事故死じゃなかったんですか?
なぜ そう思うんですか?
さっき 密室とか
言ってたじゃないですか。
そんなこと 言いましたっけ?
言ってたでしょ。 密室って。
芹沢さん。
青砥。 お前 まさか!?
お待たせしました。
榎本!お待たせしました。
何て 鼻の利くやつなんだ。
うん?
よく 榎本 連れてきたな お前。
たまには
役 立つじゃないか。 おい。
(鴻野)すいませんね。
榎本さん。
中へ どうぞ。
状況を 説明します。
いや。 ちょっ ちょっ ちょっ。
待て 待て。
彼 呼んだの お宅?
(鴻野)そうですよ。
たまたま 思い出して
連絡したんです。
私に 何の断りもなく?
(鴻野)別に あんたに
話 通す必要ないだろ。
さあ。
青砥。 どうして
君が一緒に いんだよ?
別件で 榎本さんと一緒に
いたんですけど
密室って聞いたら
気になっちゃって。
一緒に いたんだったら
止めろよ。
よくも 榎本
連れてきてくれたな お前。
ホントに 役に立たないやつだよ!ったく!
この傾きは
ちょっと ひどいですね。
竹本社長の遺体が 発見されたときここは 密室だったんですね?
(鴻野)ええ。
ですから われわれは
竹本さんは
事故で死亡したとみています。
ですが 本当に 外からの出入りが
不可能だったかどうか
念のため 榎本さんに
調べてもらいたいんですよ。
ドアにも 窓にも
鍵は掛かってたんですか?
窓には 鍵が掛かってました。
ですが
ドアには 鍵が付いていません。
ちょっと 待って。
鍵が付いてない?
鍵 掛かってなかったら
密室とは
言えないじゃないですか。 ねえ?
鍵どころか まともに
閉まらない状態なんですね。
(杉崎)ドア枠が ゆがんでいて
閉まんないんです。
でも 遺体を発見したときには
完全に 閉まってました。
(鴻野)昨日の現場検証で
様々な手を 試してみましたが
ドアの外側からは どうやっても
ドアは閉まりません。
内側からは?
(鴻野)ああ。
このドアの上の端を たたいて
こう 枠の中に 無理やり
たたき込めば 何とか閉まります。
ソフトハンマーで 思いっ切り
何度も 何度も 要所を たたいて
やっとって感じですかね。
ソフトハンマーって 何ですか?
(鴻野)仮に 他殺だったとしても
犯人が そのドアから
逃亡するのは 不可能です。
このドアは
外から 閉じられませんから。
ソフトハンマーって 何ですか?
ちゃんと お答えください。
ヘッドを ウレタンで加工した
ハンマーだよ。
こっちのドアは?
(鴻野)あっ。 そっちは
体当たりしても 蹴り 入れても
びくともしませんでした。
家全体が ゆがんだため
上下から 強い圧力が
かかっているようですね。
(鴻野)ええ。 このドアから
脱出するのは 不可能です。
窓の状態は
どうなっていましたか?
(鴻野)ロック付きのクレセント錠が掛かっていました。
しかも 内側から
養生してあります。
つまり 窓からの脱出も
不可能ということです。
貼り紙と 養生は どなたが?
(鴻野)杉崎さんです。
(杉崎)コンクリートの傷を
確認するために
フローリング 全部 剥がそうと
思ったんですよ。
そんときに かけらが
ガラスを 傷つけないように
ビニールで
カバーしたんです。
でも まあ 結局 一部を剥がして
断念したんですけど。
これは 雨漏りの跡ですか?
(杉崎)あっ。 はい。
たぶん 竹本さんは
床が ぬれていたせいで
足を 滑らせたんじゃないかな。
(杉崎)僕
すぐ そこの 望ヶ丘高校で
数学 教えてるんです。
昨日は 土曜日で
休みだったんですけど
野球部の指導のため
朝から 学校に行ってたんです。
[TEL]
(竹本)《今 現場に着きました。
これから 中を点検しますんで》
《部活が終わったら
帰りに 寄りますんで
よろしく お願いします》(杉崎)《竹本さん。 杉崎です。
開けてください。 竹本さん》(杉崎)竹本さんが 倒れていたんで急いで 救急車 呼んだんです。
失礼ですが 野球部の練習の時間は何時から 何時まで?
あっ はい。 えっと。 午前 9時から
午後 2時までです。
竹本さんの死亡推定時刻は?
(鴻野)午前 10時から 11時の間。
これは 何ですか?
(杉崎)ああ。 そこにも
貼り紙が 貼ってあったんですよ。まったく ホント
警察っていうのは 厚かましいよな。
人を 容疑者扱いして
散々 嫌がらせしたくせにさ
都合が いいときだけ
協力を求めてくる。
いったい 何様だと
思ってんだよ?
榎本君さ 警察だからって
遠慮する必要 ないんだ。
嫌なら 嫌って はっきり
言った方がいい。 何なら
僕が代わりに 言ってやろうか?
別に 嫌ではありません。
嫌じゃないの?
それにしても 奇妙な密室ですね。
ドアを閉めるためには
内側から ある一定の場所を
強い力で 何度も
たたかなければなりません。
でも 内側から閉めたところで
逃げられなくなるだけ。
何の意味もない。
外から ホントに
閉められないの?
ええ。 トリックを使って
閉めるというのは まず できないでしょう。
ということは
あの部屋は 正真正銘の密室?
いえ。
まだ 断定はできません。
なぜなら ドアと 窓以外に
もう一つ 開口部が存在しました。
エアコンの
ダクト用の穴が 2つ ありました。
ねじぶたが
付いていましたが 外からでも
手を突っ込んで 回せば
開け閉めすることはできます。
内径が 7.5cm ある
大形の穴なので
男性の手でも 少し すぼめれば
入るでしょう。
ただ それを どう使って
ドアを閉めたかは まだ 分かりません。
今回は 単なる
事故だったのかな?
事故だったとすると
気になることがあんだよな。
- 何ですか?
竹本社長 どうして
リビングの扉 閉めたんだろ?
竹本社長 一人だったんだよな?
ということは
もし ドアが 固く
はまってしまったならば
杉崎さんが来るまで
閉じ込められてしまうことになる。
その前に まず どうやって
ドアを閉めたかです。
竹本さんの所持品の中に
ソフトハンマーの
代わりになるようなものは
一切 なかったようですし。
それに あのテープ。
テープって?
壁に残っていた
ちぎれた テープです。
ドアの貼り紙や 窓の養生は
きちょうめんなほど
丁寧に貼られていたのに
なぜ あのテープだけは
乱暴に 引きちぎられて
いたんでしょうか?
もしかして 杉崎さんを
疑ってるんですか?
そうは 言っていません。 ただ
いくら 地盤が緩いとはいえ
震度 4の地震で あそこまでの
ゆがみが生じるとは
考えにくいですね。
明新工務店が 手抜き工事を
していたことは 明らかです。
でも 無償で 補修工事することに
なってたんでしょ?
杉崎さんには 竹本さんを殺しても得することは 何もありません。
それに アリバイもあります。
9時から 2時まで
部活が 続いたとすると
10時から 11時の間に
犯行を行うことは 不可能です。
もう少し 考える時間が
必要ですね。
これ あれだな。
やっぱり いつもの模型だ。
作っといてくれよ。
あした また 来る。
そうですね。 鴻野さんも あした
来たいと 言っていましたから。
鴻野が ここに来んの?
はい。
模型は やめだ。
あしたは 情報収集に行こう。
えっ? 何で?
何でって その方が お前
効率がいいからだよ。
あっ。 もしかして
焼きもち 焼いてるんですか?
や… 焼きもちって
俺が あいつに?
そんな がきみたいなこと
するわけないじゃないかよ。
何で 俺が あいつに 焼きもち
焼かなきゃいけないのよ ホントに。
あれ 何か 知ってる?
背広の中に 何か
ピーナツとか ボールペンとか いろんな物
入っててさ 変だよな。
俺はさ ありと あらゆる人間
今まで 見てきたんだよ。
あいつは 駄目だ。 うん。
絶対 出世しない。 うん。
(ドアの閉まる音)
よし。 まずは
杉崎さんの アリバイ確認だ。
榎本。
焼きもちじゃないからな。(葛西)土曜日は 9時から
2時まで 練習してました。
うん。 じゃあ 杉崎先生は
9時には 学校に来てたんだね?
(葛西)はい。 来てました。
そうか。 どうも ありがとう。
(杉崎)すいません。
いったい 何の用ですか?
(杉崎)生徒たちには 事故のことは伏せてあるんですよ。
あっ。 そうだったんですか。
いや。
てっきり 知ってるもんだとばかり思ってました。
(杉崎)婚約者も
ここの教師なんで
結婚のことも 新居のことも
内密にしてるんです。
だから あんまり
騒ぎ立てられると迷惑なんですよ。
大変 失礼しました。
以後 気を付けます。
婚約者の方は 今
校内に いらっしゃるんですか?
先月から 結婚準備のため
休職してます。
次は 婚約者だな。
芹沢さん やけに 積極的ですね。
今回はな 特別なんだよ。
(ドアの開く音)
おう! さっき ありがとな。
(葛西)どうも。 行くぞ。
うわっ。 たばこですね。
ああ。
ああ。 うわー。
しょうがねえな あいつら。
行きますか。
うん。
(せき)
(せきばらい)
ここだ。
(チャイム)
(加奈)あっ はい。
どうぞ。
失礼します。
(鴻野)どうも。
嫌な偶然ですね。
(鴻野)お互いさまです。
あっ。 榎本さん。
どうぞ。
ハァー。
あっ。 あの。 これ 英国ホテルの
招待状ですか?
(加奈)あっ はい。
よく ご存じですね。
あっ。 私の友人が 英国ホテルで
結婚式を挙げるんです。
つい この間
同じ招待状を もらったもので。
(加奈)そうなんですか。
飯倉さんも 英国ホテルですか?
あそこ ガーデンが
すてきですよね。
(加奈)実は 結婚式は
キャンセルしようと思ってるんです。
えっ?
何も 結婚まで
やめる必要 ないのに。
補修工事をしたって あの家に
住む気には なれないだろうし。
売却をするにせよ
大幅に 値を下げるだろう。
結果 杉崎さんには
多額のローン返済が 残るわけだ。
でも それと 結婚は
別じゃないですか。
甘いなぁ 君は。
結婚は 奇麗事じゃないんだよ。
生活をしてかなきゃなんないんだ。
借金まみれの男と 一緒じゃ
未来は ホープレスだよ。
ねえ? 榎本さん。
さん付け?
やっぱり 事故ですね。
この件は
事故死として 処理します。
えっ? どうしてですか?
(鴻野)1 杉崎には
アリバイがある。
2 しかも 動機がない。
3 そして 現場は 密室である。
三拍子 揃っていて これ以上
捜査を続ける必要 ありますか?
ねえ? 先生。
では ご協力
ありがとうございました。
これで 終わり?
(三井)今後は
どうするつもりですか?
契約書の条項に 書いてあるとおり契約の解除と
違約金請求の準備を
進めていきます。
このたびは 私の調査が
行き届かず
ホントに
申し訳ありませんでした。
ああ。 あっ。
ところで 竹本社長の死に
事件性は あるんですか?
いえ。 事件性は ありません。
警察も 事故死だと判断しました。
ああ。[TEL](美里)うーん。 人が死んだ家で
新婚生活を送るのは
正直 厳しいものがあるよね。
でも 結婚まで やめるっていうのはちょっと 冷たくない?
ねえ? やっぱ そう思う?
(美里)確かに
色々 大変だろうけど。
だからこそ 2人で
力を合わせて 乗り切ろうって
普通は
そう思うんじゃないかなぁ。
そうだよね。
事故が起こってから
まだ 2日しか たってないのに
決断が 早過ぎるっていうかさ。
[TEL](美里)式の
3週間前ってことは
招待状も
出しちゃってるんでしょ?
それで キャンセルするって
相当 勇気 いるもんね。
ねえ? 招待状って
式の どれぐらい前に送るもの?
[TEL](美里)2カ月前か 遅くとも
1カ月前には出してると思うよ。
だいたい 1カ月前には
出欠の返事が 必要だからね。
(チャイム)
(ノック)
フッ。 どうした?
あっ いえいえ。 何もないです。
何だよ?
ああ。
あの。 人って
お金が欲しいからとか
ものすごい 恨みを
持ってるからとか
そういう 分かりやすい
理由がなくても
人を殺すことって ありますか?
殺人の動機の 整合性なんてさ
はたから見て 簡単に
分かるもんじゃないだろう。
あっ。 すいません。
出掛けに 変なこと。
いや。 じゃあな。
ありがとうございました。どうですか?
この ちぎれた テープですが
順番に つないでいくと
不思議な ラインになります。
不思議?
こっちは 右上がりのラインで
こっちに移ると
右下がりのラインに 変わる。
仮に
ここに シートのようなものを
張ってあったとすれば
ちょうど 床の隅を 三角形に
切り取った形になるんです。
それが どうしたんですか?
ダクト用の穴を使って ドアを
閉めることが 可能かどうか。
それが 謎を解く鍵です。
分かった!
何がですか?
犯人は あの穴から
長い棒を突っ込んで
ドアを
がんがん たたいたんですよ。いや。 それは 無理です。
えっ? 何で?
なぜなら 壁の 1m後ろには
高い ブロック塀があります。
そんなに 長い棒を
差し入れることはできません。
それに 穴から ドアまでは
10m以上 あります。
穴を支点として 手前が 1m
奥が 10mだとすると
てこの原理が 逆に働いてしまい
棒の端を
少し 持ち上げるだけでも
大変な力が 必要になります。
ドアを たたくなんて
とても 無理です。
うーん。
(ドアの開く音)
(足音)あっ。
あっ。
芹沢さん。 どうしたんですか?
いや。 君たちこそ
どうして ここに?
いや。 どうしても
気になっちゃって。
警察の現状保存が 解かれる前に
もう一度 検証してみようと思って榎本さんに 連絡したんです。
ああ。 そう。
あれ?
もしかして 芹沢さんも
気になって 来たんですか?
あっ。 俺は 違うよ。 たまたま
この家の前 通り掛かったからさ。
また。 たまたまで
家の中まで 入ってきませんよ。
ねえ?
はい。
ああ。 今 俺さ
野球部の連中に 会ったよ。
何で?
いや。 何でって あいつら
ランニングの最中だったよ。
青春してるよな。
1時間も 走るんだってよ。
もう 走れ 走れ。
ふーん。
1時間?
どっちに 行きました?
えっ?
野球部です。
どっちに 走っていきました?
あっ いや。
ああ。 あっち。
どいてください。
どこ 行くんだよ? 青砥!
青砥!(ベルの音)
おい!
何なんだよ?
(部員)1・2。
(一同)1・2。
(部員)1・2。
すいません! すいません!
ちょっと 待って!
あなたたち 望ヶ丘高校の
野球部でしょ?
(部員)そうですけど。
ランニングってさ
毎回 1時間 走るの?
はい。
この間の 土曜日の練習のときも?土曜日?
あっ はい。 走りました。
その間は
杉崎先生は どこにいる?
いや。 さあ。 ちょっと。
(部員)職員室じゃね?
(部員)知らねえ。
誰も 分からないってこと?
まあ そうですね。
確か 他にも 部員が
いたはずですが 彼らは どこへ?
(部員)あいつらは ランニングのときは
いつも いないんです。
あいつらって?
ああ。 ああ ああ。 ハァー。
何なんだよ? いったい。
うえー。そうか。
そうだったのか。
えっ?
ありがとう。 じゃあ。
(部員)いくぞ。
(一同)うおい。
青春 いらない。(葛西)ヤベっ。
君たちは 先週の土曜日も
ランニングを サボって
ここで たばこを
吸っていましたね?
(大谷)すいませんでした!
(葛西)バカ。
一つ
聞きたいことが あるんですが。
脚。 脚 つった。
もう しっかりしてくださいよ。
あっ。
あっ。 榎本さん。
どうしたんですか?
密室は 破れました。(杉崎)竹本さんは 事故死だって
断定されたじゃないですか。
もう
いいかげんにしてくださいよ。
実はですね 状況が
ちょっと 変わってしまいまして。
リビングに 妙なものが
あったらしいんですよ。
えっ? 何ですか?
ボールです。
ボール?
どうして そんなものが
あったんですかね?
何か お心当たり ありませんか?
あっ 何だ。
テニスボールのことですか。
それなら 僕が 置いたんです。
置いた? 何のために?
決まってるじゃないですか。
床の傾きが
よく 分かるようにですよ。
それを ビデオに撮って
明新工務店が
無償補修に 応じなかったとき
ネットに流そうと思ったんです。
なるほど。
今 テニスボールと
おっしゃいましたよね?
ええ。
どうして テニスボールだと
思われたんです? 私は
ボールとしか 言ってませんが。
野球部の顧問をしてらしたら
普通 野球のボールだと
思われるんじゃないですか?いや。 思うも何も 僕が置いたの
テニスボールですから。
違いますか?
あっ。
われわれは 竹本さんが 何者かに
殺害されたと考えています。
そして ボールを使った
あるトリックで
密室はつくられた。
トリック?
どんな トリックですか?
それは 彼が
これから 実演します。犯人が リビングから
脱出するには
廊下に面した ドアを
使うしか ありません。
つまり 部屋を
密室にしようと思うなら
何としても ドアを
閉めなければならない。
そのために 利用できたのは
この穴だけです。
では 犯人は いったい どうやってこの穴を 利用したんでしょうか?
まず 内ぶたの裏側に
ひもを つけます。
そして ふたを開けて
部屋の中に 垂らしておき
作業が終わったら
引っ張り上げて 閉めるんです。
次に これを見てください。
杉崎さんの学校から
お借りしてきた
ピッチングマシンです。
このマシンは 硬式 軟式
ソフトボールの球。
それに テニスボールまで
発射することができます。
さあ これで
ドアを 狙い撃ちしてみましょう。(ドアの閉まる音)
ホントに 閉まった。
ああ。 確かに
ドアは閉まりましたけど
部屋中
ボールだらけじゃないですか。
これ どうやって
片付けるんですか?
この部屋には
魔法が かかっているんです。
魔法?
床が こちらへ向かって
傾斜しているので
ボールは 自然に戻ってきます。
それを 1カ所に集めるために
壁の 一方の隅に
角度をつけて ビニールシートが
張ってあったんですよ。
集めた ボールは
掃除機で吸い取り。
ビニールシートは
あらかじめ つけておいた
ひもを使って 引きずりだします。
そのときに ちぎれた テープが
壁に 残っていたんでしょう。
最後に 穴のふたを閉じれば
後始末は 完了です。
杉崎さん。
竹本さん 殺したのは
あなたですね?さっきのは
単なる 推論でしょう。
僕が殺したという
証拠は あるんですか?
決定的なものは まだ ありません。でも 状況証拠は揃っています。
テニスボールのことなら
僕が 撮影のために
ホントに 置いたんです。
犯人のトリックとは
関係ありません。
ボールなんか
落ちてなかったんですよ。
にも かかわらず あなたは
テニスボールを 置いたと言った。
テニスボールが 犯行に
使われたことを 知っていた故の
秘密の暴露に当たる。
だましたんですか?
私は あったらしいと
言っただけです。
穴の直径は 7.5cmなので
野球のボールは 通りません。
だから テニスボールを
使ったんでしょうが
フェルトの毛が 飛び散ることまでは
考えつかなかったようですね。
警察の微物検査で 黄色い毛が
部屋に落ちていたことは
分かっているんです。
アリバイが あります。
はい?
僕は 9時から 2時まで
学校にいました。
野球部の部員が 証人です。
野球部 全員が 証人です!
ランニング中の 1時間があれば
学校を抜け出して 犯行を実行し
また 戻ることは
じゅうぶん 可能です。
それに ランニングを
サボっていた 部員から
貴重な証言も 得ているんですよ。
《土曜日に ここに来たときに
何か 変わったことは
ありませんでしたか?》
(葛西)《変わったことって?》
《例えば
いつも 置いてあるものが
なくなっていたとか》
(大谷)《そういえば
なかったよな?》
《それは
ピッチングマシンですね?》
だからといって 僕が
ピッチングマシンを 持ってきたという
証拠 あるんですか?
だからといって 僕が
ピッチングマシンを 持ってきたという
証拠 あるんですか?
だいたい 何で 僕が 竹本さんを
殺さないといけないんですか?
まあ 確かに 手抜き工事の件で
もめてましたけど 和解しました。
殺す理由なんて ありません。
もう いいですか?
失礼します。
待ってください。
飯倉 加奈さんから
話を伺いました。
《どうして まだ 招待状を
出していなかったんですか?》
《もしかして あなたは
竹本さんが 亡くなられるより
もっと前から
結婚を考え直そうと
思ってたんじゃないですか?》
《式は
もう キャンセルしてたんです》
《えっ? いつ?》
《竹本さんが亡くなる 前日です》《前日?》
《私 杉崎君の友達と
長い間 付き合ってました》
《でも 振られてしまって》
《すごく 落ち込んでるときに
杉崎君から 「ずっと
好きだった」って 言われて》
《それで
プロポーズを 受けたんです》
《でも 結婚式や
新居の話が 進むにつれて
ホントに これで いいのかって
だんだん 不安になってしまって》
《そんなとき 地震が起きて
家が ゆがんでしまったんです》
《結婚を やめようと
切り出したのは そのころです》
《それで 一人で 式を
キャンセルしに行ったんですね?》
《はい》
《杉崎君に それを伝えて
全てを 終わりにしました》
その翌日に 竹本さんが
亡くなられたと聞いて
加奈さんは 怖くなったそうです。
まさか あなたが
殺したんじゃないか。
万が一 そうだとしたら
追い詰めてしまったのは
自分かもしれないって。
そう思ったら
警察にも 言えなかったって。
杉崎さん。
もしかして あなたは…。
何で?
ねえ? 何で?
何でだよ!?
(杉崎)《何でさ
キャンセルなんか すんだよ?》
《言ったじゃん。 家のことなら
僕が 必ず どうにかするって》
《だからさ こうやって
明新工務店に 無償補修の約束
取り付けてきたんだよ》
(加奈)《杉崎君。 もう やめて》
(杉崎)《これで 新居は
元通りになるから》
《何も 心配 いらないよ》
(杉崎)《僕は 加奈のためだったら何だって するよ》
《ホントだよ。
これが その証拠》
《明新工務店の買収話を
邪魔してやるって 脅しをかけて
やっと 覚書を書かせてきたんだ。
分かってくれよ? なあ?》(加奈)《あの家を》
《あの ゆがんだ家を
見たときに 思ったの》
《これは 私たちの未来だ》
《きっと 神様が 私たちに
そう警告してるんだって》
(加奈)《ごめんなさい》
(杉崎)加奈と一緒に
暮らせないんだったら
こんな家 何の価値もない。
だから あいつにも
そう言ったのに。
[TEL]
(杉崎)《いや。 だから もう
補修しなくて 結構です》
《家も いりませんから
お金 返してください》
[TEL](竹本)《はあ?
バカ 言わないでくださいよ》
(杉崎)《あなた方のせいで 僕は
結婚できなくなったんです》
《この世で 一番 大切なものを
失ったんです》
[TEL](竹本)《無償補修だって こっちは 厚意で
やってるんですよ》
(竹本)《それを
婚約破棄のことまで
うちのせいにされちゃ
たまりませんね》
《あなた方が 手抜き工事なんか
しなければ こんなこと なってないでしょう?》
《責任 取ってくださいよ!》
[TEL](竹本)《しつこいな あなたも》
《彼女も そういうところが
嫌だったんじゃないの?》
《どういう意味ですか?》
[TEL](竹本)《ホントに
あんたのことが 好きなら
家が どうなろうと
一緒になったはずだよ》
《こう言っちゃ 何だけど
最初から その程度にしか
思われてなかったってことだろ?
とにかく 予定どおり
補修はするから。
これ以上
言い掛かり つけんのは
やめてくださいよ!》
[TEL](通話の切れる音)
(杉崎)こいつ 殺そう。
殺してやる。
殺してやる。 殺してやる。
殺してやる。 殺してやる。(杉崎)そのとき
突然 ひらめいたんです。
あの ゆがんだ家を 凶器にして
竹本に復讐する方法を。
(竹本)《あそこ? えっ?》
(杉崎)《こっちです》
(竹本)《ああ ああ。 あれだ》
《うん。 まあ 雨漏りだったらね
すぐ 直りますよ》
《うわー!》
(杉崎)自分でも どうして
あんなことが できたのか。
何で あんなことしたのか
よく 分かりません。
でも 今となっては…。
どうでも いいんです。 もう。(鴻野)どうも ご協力
ありがとうございました。
いや いや いや。
こんなの 軽いもんですよ。
また 困ったときは いつでも
力を お貸ししますから。
ただし 今後 えのもっちゃんに
連絡を取る際は
必ず 私を通すよう
お願いします。
よし。 チーム榎本で
祝杯 挙げに行くか。 そいじゃね。
あの。
チーム榎本って 何ですか?
だって 俺たち チームメートじゃん。なあ? えのもっちゃん。
ああ。 はあ。
《違う 違う。
榎本さんは ただの》
《うん?》
チームメート。
何だって?
ああ。 いや 別に。
あっ そうだ。
この先にさ いい店 あんだ。
そこ 行こう。 なっ?
何やってんだよ?
早く 来いよ。チームメートか。
次回は 密室劇場です。
200人の観客が密室の証人です。