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(西脇) ≪皆さん こんにちは!≫
京浜児童相談所から
やってまいりました
西脇と申します。
東西南北の「西」に
脇の下の「脇」で
西脇と申しま~す!
ハハハ…!
(城田正孝) やるね 西やん!
ハハハ…。
(西脇) ハハハ…。
あぁ… ねぇ。
(西脇)
あの 児童相談所というのは
18歳未満の子供達に関する
あらゆる相談に応じる
行政機関なんです。
ですから 君達の悩み相談も
受け付けてるんですよ~。
誰にでもね
親や先生に相談しづらい
家庭の問題や 学校での問題が
いろいろ ありますからね。
そういうものを…
皆さん 聞いてますか~?
アハハ… ねぇ。
あの…。
お前ら 静かにしろ!!
ひとの話は黙って聞く
そんなことはな
幼稚園のガキでも知ってるぞ!
チッ ったく この野郎。
こんな くそ暑ぃのに
頭に血が上るよ。
あぁ!?
お前らは 幼稚園のガキ以下か?
あ? お前ら ガキ以下か?
そうじゃねえだろ。
お前らはな
日本の将来を背負って立つ
花の中学2年生だろ!
チッ よ~し。
それが ひとの話を聞く態度だ
なぁ?
そんなお前らに 俺が学んだ
人生哲学を披露してやろう。
世の中にはな
大事な3つの道がある。
いいか? 3つの道だぞ。
その中でも
一番大事な道っていうのはな…。
(歓声と拍手)
さっき いったの やってみろ
さん はい。
ガン ドン ズド~ン!
そういうこと。
≪サインください!≫
サイン? 俺の?
お前ら 頑張れよ!
ありがとうございます!
よ~し じゃ またな! ハハハ…!
(校長) 生徒達を
静かにさせるだけでなく
まず 感動させるなんて
本当に お見事でした!
ハハハ…! いやいやいや…。
(校長) 特に 3つ目の道の お話。
深く考えさせられました。
いやね 僕も波瀾万丈な人生
送って来てますから。
そりゃもう
ガン ドン ズドンと… ね。
(幸子) 調子に乗っちゃって。
(教頭) 20歳代半ばで
本当に ご立派です。
わが校に ぜひ
スカウトしたいぐらいです。
えっ! 俺が教師?
はい!
いやいやいや
教師っていったってさ
そんな甘いもんじゃないでしょ。
それを皆さん 頑張ってますよ。
城田さんに そうおっしゃられると
励みになります。
いやいやいや 僕もね
仕方なくというか
やらざるを得ないというか
この世界で 何とか
やってかなくちゃいけないんです。
さすが まさに
児童相談所の希望の星ですね!
希望の星?
気に入った!
自分だけ
おいしい思いしやがって。
星っていうのは好きなんですよ
菅原文太のね 『デコトラ 一番星』。
関係ねえじゃねぇかよ。
(ノック)
どうぞ。
(貴子) 失礼します。
(校長) どうしました? 岩倉先生。
実は 生徒のことで
児童相談所の方に
ご相談がありまして。
どうしました?
私 2年1組の担任をしております
岩倉貴子といいます。
岩倉貴子…。
あんた 『京浜北中』に通ってた?
え… はい。
あだ名は 「オタカ」。
どうして私の あだ名を?
鯖島って覚えてる? 鯖島 仁!
鯖島… ええ 覚えてます。
いや~ 久しぶりだなぁ。
城田 どういうことだ?
えぇ?
あぁ あの… 鯖島さんと この人
中学の同級生なんですよ。
何で 城田さん 知ってんの?
いや~ 変わらないね うん。
あっ そうだ もしよかったら
写真1枚 どうですか?
おい 幸子 撮れ 早く早く…。
じゃ 笑って笑って。
イエイ。
(カメラのシャッター音)
それで 僕達に相談というのは?
実は うちのクラスの生徒が1人
2学期になっても学校に来なくて。
えっ それは
不登校ということですか?
学校に来るように 私からも
働きかけはしてるんですが
なかなか うまく行かなくて。
その話
俺に詳しく聞かせてください。
オタカ。

(鯖島 仁) アレックス おいしい餌が
入ったから買って来たよ~。
あれ?
アレックス! 何? この黒い塊!
アレックス! 大丈夫!?
アレックス~!!
あぁ それ ただの下痢だよ。
ほっときゃ治りますよ。
(客) すいません
この コガネオオトカゲなんですけど…。
でも
こんなにグッタリしてるし…。
(友子) すいません
ちょっと見せてもらえます?
あぁ はい。
(友子)
あぁ~ このコ 夏バテですね。
胃や腸の負担を軽くしてあげて
サプリメントあげたら
1週間くらいで よくなりますよ。
ホントですか!? よかった~。
ヤモリ 好きなんですか?
はい アレックスは
僕の親友なんです。
フフフ…。
何か変なこと いいました?
あっ いや だって…
ヤモリが親友だなんて
そんな人 初めてだから。
やっぱり変ですよね。
あぁ いえ 全然! あの…
素敵だと思います。
ハハっ…。
アハハハ… アハハハ…!
(水盛ミネコ) 校長先生
電話で すごく喜んでたわよ。
2学期の終業式にも
ぜひ また来てほしいって。
あぁ そうですか じゃあ 次は
3つの誓いの話でも
披露しますかね。
所長 不登校の高橋圭太君
保護者と連絡とれました。
明日 面談に来るそうです。
そう。
(恭子) 夏休み明けに 学校に
行けなくなる子っているのよね。
じゃあ 所長
明日の面談 俺やりますから。
どうしたの?
急に やる気出しちゃって。
(亜希) また何か 企んでんじゃ
ないでしょうね?
あのね 俺は 児童相談所の
何て呼ばれてんだっけ? 西やん。
「希望の星」?
そう 希望の星だよ。
ねぇ 俺以外に誰がやんの?
やれんの?
いいじゃない じゃあ 明日は
城田君に頑張ってもらいましょう。
はい!
はい。
へぇ~ 幼なじみと再会。
ああ 俺も こんな所で会うとは
思わなかったよ。
いや~ それは素敵な話ですねぇ。
あぁ この人…
まぁ この顔は僕ですけど。
そんなもんは
こうしちゃえばいいんだよ。
あ…。
はぁ なるほどですね。
いや こいつさ
学級委員長だったんだよ。
ホント 口うるせぇ女でよ。
俺がケンカしたり
授業ふけたりするたんびに
注意して来んだよな。
まぁ でも 今 思えば
しっかりした女だったよな。
それって 鯖島さんのこと
好きだったんじゃないですか?
やっぱり? そう思う?
はい。
いや 俺もさぁ
こいつの正直なところ
結構 好きだったんだよな~。
はぁ~ 好き…。
いや つったって お前
中学校の時の話だぜ。
でも 一応
あゆみには内緒にしておけよ。
はい フフっ。
あ… あっ そうだ。
あっ そうだった~!
えっ 何かあったんですか?
いや 実はさ 俺 こいつに
デカい借り
つくっちゃってたんだよ。

(生徒)
((鯖島君 正直にいいなさいよ))
((貴子の給食費 盗んだの
あんたでしょ?))
((体育の時間 鯖島君が教室に
戻ったの知ってるんだからね!))
((うっせぇな 俺じゃねえよ!))
(貴子)((みんな もうやめて!))
((確かに鯖島君は 乱暴者だし
みんなに嫌われてる))
((かつあげだってするし
給食のおかずも脅し取るわ))
((オタカ! てめぇ
ケンカ売ってんのか!))
(貴子)((でも
黙って 他人のもの取るような
卑怯なマネはしない))
((絶対に))
で その盗んだお金
ちゃんと返したんですか?
いや すぐインベーダーゲームに
つぎ込んじゃってさ。
いや 返そう返そう思ってるうちに
引っ越しちゃったんだよな。
俺としたことが
完全に忘れてたよ。
何やってんですか もう。
でも ここで会ったってことは
何かの縁なのかな?
そうですよ 今度こそ ちゃんと
「ごめんなさい」って言葉
オタカさんに届けましょう。
いや~ でも 謝りたいけどさぁ
30年も前の話だし
そもそも俺達
入れ替わっちゃってるしな。
でも 今
再会したのも何かの縁だって
いったばっかりじゃないですか。
ん~ そうなんだけどさぁ。
あっ そうだ。
今 頼まれてる登校拒否のガキも
こいつの教え子だし
そんで
ついでに金も返しちゃえば…。
おぉ 一石二鳥だな!
よし 決まった!
しかもさ 今 俺 児童相談所の
何て呼ばれてるか知ってる?
さあ?
希望の星だよ。
お前 希望の星なんて
なかなか いわれねえぜ?
な~に調子に乗ってんだろうな。
あれ? ここに置いてあった
お前の気持悪いトカゲ
どうしたんだよ?
き… 病気になって
完全看護が必要なんで
「鯖島組」に持って行きました。
お前 バカ野郎!
えっ?
(鯖島あゆみ) ≪キャ~~!!≫
うわ~! あぁ…!
(あゆみ) 早く…
早く そいつを捕まえとくれ!
アレックス!
(ケン) おぉ おぉ…。
(ヤス) アニキ 捕まえました…。
(兵藤) 素焼きにしちまえ!
(ケン:ヤス) へい!
ダメ! 焼いちゃダメ!
(兵藤)
城田さんからの預かり物…。
病気で完全看護が必要だから
預かってほしいって頼まれたんだ。
怖かったね アレックス。
(兵藤) 頭 平気なんすか?
うん 大好き。
しかし ねえさん
こういった生き物が…。
ふぅ…。
あゆみ 頼む 1週間だけ
置いてやってくんないか?
この通り!
はぁ ホントに1週間だけですよ。
ありがとう! あのね
よく見るとね かわいいんだよ。
イヤ~!!
あっち行って! あっち!
うわ~! イヤ~!
あ~ 危ない。
(ドアが閉まる音)
何で分かってくんないかなぁ…。
どうぞ。
児童福祉司って
大変なお仕事なんですね。
まぁ 俺ほどではありませんが
みんな よく頑張ってますよ ええ。
高橋君のこと
どうぞ よろしくお願いします。
大丈夫 俺が必ず
何とかしてみせますから。
あとね
借りは きっちり返しますから。
は?
(高橋悦子) 失礼します 高橋です。
(貴子) 高橋君。
あっ 先生 どうも。
所長の水盛です
本日は よろしくお願いします。
どうぞ よろしくお願いします。
え~ 担当の城田と申します。
それじゃあ 早速 始めますか。
おい 西やん よろしく。
おい ねえちゃん あと
心理のあれ よろしくね。
城田 お手並み拝見するぜ。
おう。
よっしゃ。
大丈夫なのかな…。
幸子 悪いけど
フォローしてあげてくれるかな。
何で私が?
メンタルフレンド
登録したでしょ?
圭太君の話し相手 やってあげて。
まぁ いいけど。
息子さんの変化を
お感じになったのは
いつ頃からですか?
確か 6月の終わり頃です。
(悦子の声) 2年生になって
あの子 急に明るくなって
部活や勉強を
前向きに頑張りだしたんです。
でも それが長続きしなくて
だんだん あの子
落ち込んじゃって。
あの~
他に学校に行かなくなった訳は?
それ以外に思い当たることは
何も…。
分かりました じゃあ あとは
俺が圭太君と
腹 割って話しましょう。
任してください。
よし… あれ?
お前 何してんだよ?
メンタルフレンドとして
圭太君と話してます。
お前な 邪魔だ どけどけ ほら
邪魔だよ。
何が メンタルフレンドだよ。
よ~し 高橋圭太 14歳。
京浜中学校の2年生だって?
(高橋圭太) はい。
う~ん。
まぁ 学校なぁ…。
まぁ 学校 行きたくねえのは
分かるよ。
面倒だよな?
でもよ まず 何で
学校 行きたくねえのか教えろよ。
もしかして
いじめられたりしてんの?
ん?
じゃあ あれだ
お前 勉強 嫌いなんだろ。
黙ってちゃ分かんねえだろ。
自分でも よく分かりません。
お前 そんなこといってたらさ
いつまで経っても解決しねえぞ。
でも ホントにダメなんです。
学校に行こうとすると
足がすくんじゃって…。
お前 足がすくんじゃうって
そんなわけねえだろ。
お前 ここにだって
歩いて来れたじゃねえかよ。
学校以外なら
散歩も 買い物もできるけど…。
おいおいおい お前さ
そんな都合いい話が
俺に通用すると思ってんの?
ウソじゃ ない! ホントなんです。
よし じゃあさ
俺と一緒に 散歩行こうよ。
えっ?
ほら こんな狭い部屋にいたって
しょうがねえだろ。
ちょっと外の空気吸いに行こうぜ。
いや…。
よし行こう
いいからいいから ほら 来いよ。
散歩っていうのは
ちゃんと許可 下りるから。
あっ ジュースでも奢ってやるよ。
何がいい? ソーダ?
よし そうしよう
ソウダっつって 早くいえよ。
よし 行こう。
(圭太) ちょっと離してよ!
大丈夫 あのね こういうのは
一回できたら 楽になるから。
なっ? 行くぞ。
イヤだ! 絶対イヤだ!
離せ! 離せよ! イヤだ!
暴れんなよ!
絶対イヤだ! 離せよ!
もうヤダ…。
えっ?
(圭太) 行きたくない 絶対ヤダ。
何? お前 泣いてんの?
(泣き声)
おい 泣くなよ ちょっと。
(泣き声)
(貴子) ちょっと 城田さん!
何してるんですか!
オタカ!
高橋君 大丈夫?
(圭太) うん。
どういうお考えがあって
こんな乱暴なマネ したんですか?
いや 「どういう」ったって…
そんな泣くことでもないしね。
おい 幸子 お前も何で来てんだよ。
(マナ) ≪高橋君?≫
(マナ) 学校 来たの?
あっ 高橋君!
おい 待て!
この野郎!
(幸子) ねぇ 高橋君の知り合い?
あぁ クラスメートです
家も近所で…。
(幸子) あの子が
学校に来なくなった理由
何か 心当たりないかな?
(西脇)
城田 お前 何考えてんだよ。
無神経にも程があるわよ。
何で そんな ひどいことしたのよ。
まぁ つい うっかりっていうか
ホントは 学校
行きたいんじゃねえかなぁとか
思っちゃったんだよ。
彼は学校に行くのが辛いの
恐怖なの それを
無理やり連れて行くなんて
少しは 彼の心を理解しなさい
っていうの ホントに もう。
理解しろっつったって
いきなり泣く男 理解できねえ…。
おかあさんの話だと
2年生になった時点では
勉強も部活も
やる気はあったのよね?
ええ。
でも どちらも
伸び悩んでたみたいです。
登校拒否の原因は
あの年頃 特有の
コンプレックスじゃないでしょうか。
(楓) 私も心理診断で
同じことを感じました。
(楓) 「自分は他人より劣っている」
「誇れるものが何もない」。
つまり 自分がダメだってことに
気づいちゃったってわけか。
そういう身も蓋もない言い方
しないでよ。
何だよ…。
あの子 点数つけられたんだって。
どういうこと?
今日 学校で会った
あの子のクラスメートに 話 聞いたの。
(教師)((顕微鏡の明るさは…))
(幸子の声)
そしたら クラスの女子が
男子の見た目や 性格 成績
運動神経を総合判断して
100点満点で
採点してたんだって。
(西脇の声) キツいな それ。
(亜希の声)
で 高橋君は何点だったの?
(幸子の声) 39点。
(大森) それは 男として辛いなぁ。
きっと それが
登校拒否の原因になったんですよ。
14歳特有のコンプレックスの話とも
合致するしね。
恐らく そうでしょう。
あのさ こういう場合
あいつを立ち直らせるには
どうしたらいいのかな?
それは彼に自信を
持ってもらうことでしょうね。
そのためには 彼のいいところを
1つでも見つけてあげないと。
いや いいところっつったって
あるか ないかでいったら
ないんじゃねえの?
だから そういうふうに
彼を否定しないの。
学校に行かないっていうことも
認めてあげないと。
案外 厄介なんだなぁ
登校拒否っていうのもよ。
ほほう
珍しく悩んでんじゃねえかよ。
ん? いいぞいいぞ 悩め悩め。
児童福祉司はな そうやって
成長して行くんだぞ おい。
今回の失敗が
いい薬になったんじゃないの?
今度は もっと謙虚にね。
はいはい。
頑張ってください
「児相」の希望の星。
やめろよ 西やん
何で そんな嬉しそうなんだよ。
(幸子) あのさ…。
痛い… やめろよ。
何?
私に 圭太君と2人で
話 させてもらえないかな?
いいよ。
(友子) アレックスくんの具合
どうですか?
あっ 少し元気出て来ました。
それは よかった~。
ただ 家で面倒を見るのは
肩身が狭くて。
どうして?
はちゅう類 苦手で。
いや 妻が…。
あっ アハハ… そうなんですか。
いや あの
妻がいるといってもですね
中身は独身なんです。
えっ?
ホントは あの… 外見だって
こんなふうじゃないんですよ!
何の因果か もう
こんなことになってしまって…。
大丈夫ですか?
はい。
また来ます。
(友子) あっ はい。
(友子) あ… お大事に。
(友子)((アレックスくんの具合
どうですか?))
((ええ
少し よくなって来ましたよ))
((それは よかった))
((あっ 内野さんも はちゅう類
お好きなんですか?))
((ええ 大好きです!))
((じゃあ
僕と気が合いそうですね))
((もしよかったら 僕と
お友達になりませんか?))
((友達ですか… あの できれば
彼女にしてほしいです!))
((なるほどですね
僕は構いませんよ))
((嬉しい!))

不条理だ。
ん~ ダメだ 分かんねえ。
鯖島さん!
あぁ?
僕 今日ほど 元の姿に戻りたいと
思ったことありません!
何だよ 急に。
だって こんなんじゃ
好きな人ができたって
気持 伝えられないじゃ
ないですか。
何? お前 好きな人できたの?
はい こんな気持
生まれて初めてです。
あれ? お前 まさか
あゆみじゃねえだろうな?
いえいえ…!
ペットショップの店員さんで
内野友子さんって人です。
内野さん… ウッチ~ね。
それ何? そのコ かわいいの?
そりゃもう!
何だ お前 最高じゃねえかよ
お前。
じゃ 恋しちゃったんだ?
はい ヘヘっ。
でも… 俺の顔で?
ええ… ですね。
だから 多分…。
叶わないでしょうね。
そうかぁ。
はぁ~。
気持を伝えたくても
伝えられないってのは
ホントに辛いですね。
まぁな。
はぁ そういえば
例の不登校の子 どうなりました?
いや それがさ
なかなか厄介なんだよ。
焦っちゃダメですよ。
そういう場合は
本人が その気になるまで
好きなだけ 学校を休ませたほうが
いいんです。
でも お前さ
そんな のんきに待ってたら
オタカへの借り 返せねえしさ
う~ん…。
(ノック)
(悦子) ≪圭太≫
≪児童相談所の方が
いらっしゃったわよ≫
(ノック)
おい 圭太。
昨日は悪かったよ な?
つい 意気込んじゃってさ。
ちょっと 入るぞ。
(圭太) ≪えっ? いや
ちょっと入って来ないでよ≫
何だよ。
城田さん 先に私に話させて。
いじけちゃったんじゃねえの?
圭太君 私 松浦幸子。
ちょっと入っていい?
チッ おい! 何だよ…。
(幸子) 昨日 あの後
君と同じクラスの
水木マナちゃんと話したの。
クラスの女子が
男子を採点したんだってね。
マナちゃんとは 2年になってから
初めて同じクラスになったんだって?
席も隣同士なんでしょ?
うん。
私の勘違いだったら謝るけど
圭太君 あの子のこと…。
(幸子) だから 2年生になって
急に部活や勉強
張り切ったんだね。
(ドアが開く音)
おい その話 ホントかよ?
まだ 話 終わってないんだけど。
ヘヘヘ おい圭太 お前
かわいいとこ あんじゃねえかよ。
よ~し 俺に任せろ。
お前ら2人の仲
俺が取り持ってやるよ。
えっ?
(幸子) まだ好きとも嫌いとも
いってないでしょ。
男ってのはな 惚れた女ができたら
ガン ドン ズドンと行くもんよ。
なっ お前も 彼女できたら
嬉しくて 学校行っちゃうでしょ。
なっ よし…。
余計なマネしないでよ!
何だよ お前。
これ以上 僕に 恥かかせないでよ。
マナちゃんは
圭太君の気持 知ってんの?
いっても どうせ無駄だし。
そんなの やってみなきゃ
分かんねえだろ!
だって 僕
39点だよ。
お前さ 本当に そう思ってんの?
だって 僕
頭も顔も悪いし。
運動神経ないし
性格だって こんなだし…。
もういいよ。
彼女も もうすぐ
シンガポールに転校しちゃうし。
だったら何だよ?
お前な 伝えられるっていうのは
幸せなことなんだぞ。
世の中にはな 伝えたくても
伝えられないヤツがいるんだよ。
おじさんが 若いコに
恋しちゃったり
堂々と名乗れないから
謝れなかったり。
(幸子) 城田さん 何? 急に。
だから まぁ… とにかく!
お前は 恵まれてんだぞ!
僕のことは もう ほっといてよ!
水木にも
絶対 余計なこといわないで。
(友子) こんにちは。
あぁ! どうも どうも。
今日は どうしました?
いや あの 近くに ちょっと
用があったんで そのついでに。
あぁ アレックスくんの具合
どうですか?
だいぶ 元気になりました。
あぁ それは よかった。
あっ そうだ
赤外線でアドレス送るんで
何かあったら 連絡してください。
ホントですか!?
ありがとうございます。
(友子) じゃあ 送りますね。
受けます。
あぁ 来た 来た… あっ 来たぁ。
「T O M O K O 友子」
フフっ。
ただいま~。
頭。
シ~っ。
どうした?
(あゆみ) ≪ひぃ~~~≫
ひぃ~~…。
はぁ…。
はぁ ひぃ~~。
はぁ。
何やってんの?
トカゲに慣れようと
かれこれ1時間 頑張ってます。
何のために?
もちろん 頭のためですよ。
俺の?
頭が好きなものを
自分も好きになろう
そうやって努力なさってるんです。
ひぃ~~~。
あゆみ…。
クラスの女子が
男子を採点してたのは事実でした。
ただ 担任の私の所まで
報告が上がってなくて
ホント 恥ずかしい話です。
いやいや こちらこそ
昨日は ムチャしちゃって。
城田さんには 城田さんのお考えが
あったんでしょ?
ええ まぁ…。
そういえば
鯖島君 どうしてます?
あ~… ええ 元気にしてますよ。
彼 授業はサボるわ
ケンカはするわ
とにかく
手に負えない子だったんですよ。
えっ?
でも どこか筋が通ってて
男らしかったな。
ハハっ 男らしい…
そうですね! ハハハ!
それに すごくシャイな子でした。
シャイ?
私が 3学期の途中で
転校したんですけど
その時 彼だけが…。
((向こう行っても 元気でね!))
((また会おうね))
((忘れないでね))
((手紙 書くからね!))
((みんな ありがとう))
(貴子)((じゃ))
((バイバ~イ!))
((手紙ちょうだいね!))
((また会おうね!))
あ~ あの あなたの給食費が
盗まれたじゃないですか
中学ん時。
給食費?
ええ それで 鯖島さんが
疑われて 責められて。
「お前が盗んだんだろ」とか
いわれちゃって。
そんなこと あったかしら。
ええ。
あれ…?
まさか 覚えてないんですか?
ちょっと記憶にありませんね。
そんな~。
おう 何だよ お前 来てたのかよ。
鯖島さん 僕 決めました。
何を?
この体でいる限り
誰かを好きになったりしません。
お前 何だよ 急に。
だって あゆみさんの思いを
裏切れません。
あぁ?
この体でいる限り
僕は鯖島さんを演じます。
じゃあ 何
ペットショップのウッチ~は?
明日 アレックスの礼をいって
さよならして来ます。
あぁ!
何やってんだよ お前。
僕のことは もういいんです。
それより 例の男の子
どうなりましたか?
あぁ あれね もういいの。
あいつのことは
西やんに任せたから。
ちょ… どうしてですか?
いやさ オタカの野郎
すっかり忘れてたんだよ。
(城田の声)
給食費 盗まれたことも
俺のこと かばったことも
全部 覚えてねえんだとよ。
(鯖島の声) そうだったんですか。
はぁ~
俺一人で盛り上がっちゃって
何か バカみてぇだよな~。
鯖島さん それでいいんですか?
何が?
借り 返さなくていいんですか?
そりゃ 覚えてねえのは
しょうがねえだろ。
まぁ 金は どっかで返しとくよ。
でも 鯖島さんの心の中では
ずっと引っかかってたんでしょ?
悪いことしたって
思ってたんでしょ?
だったら ちゃんと
「ごめんなさい」って伝えなきゃ。
大事なこと言いそびれると
胸ん中 ムズムズしませんか?
うるせぇな!
俺が いいっつってんだから
いいんだよ!
でも 今 胸ん中
ムズムズしてるでしょ?
ムズムズしてるはずですよ!
何だよ? ムズムズ ムズムズ!
お前 水虫かよ!
チッ お前さ もう帰れ
早く 帰れよ。
帰ります。
おう 帰れよ!
ったく 何が 「ムズムズしてるでしょ」
とかいって… 何だよ。
水虫じゃありません。
好きって気持を伝えるのって
難しいのかな?
(明石) えっ?
何だよ? 急に。
ううん 何でもない。
(エリ) 2人で 何やってんの?
エリ。
(ヒカリ) ヤダ こいつ
中学の問題集やってる!
(エリ) どういうつもり?
私 高校 行こうと思って。
はぁ? あんた もう18歳だよ?
今さら 高校入って どうすんの?
(エリ)
どうせ 勉強するだけ無駄だよ。
(明石) 「どうせ」って何だよ?
そんなの
やってみなきゃ分からないだろ。
エリ 待ってよ!
(明石) 幸子!
いいから 勉強 続けよう。

高橋君?
チェーン 外れたの?
困っちゃった。
直そうか?
大丈夫?
うん。
水木 明日だっけ? 飛行機。
うん。
あのさ…。
えっ?
いや 何でもない。
高橋君 ごめん。
私 これから 陽子ん家で
お別れ会があるから…。
もう少しで直るから。
(マナ) 私 もう…。
(圭太) 行っていいよ。
じゃあね。

おはようございます。
あっ おはようございます。
あの~ 今日は 内野さんは?
あ~ 昨日付で辞めたよ。
アパート引き払って
長崎の実家に戻るって聞いたけど。
えぇ~!?
まっ 確かにな~
いや 何だかな~。
どうした? 城田。
いやね
胸の奥のムズムズが
消えないんですよ。
ムズムズ?
うん ムズムズ。
何か この辺が。
この辺が?
おや 今日は どうされました?
高橋圭太君の担当を
私が引き継ぐことになりまして。
岩倉先生と 今後の方針に
つきまして 相談に伺いました。
あれ? 岩倉先生 今日
お引っ越しのはずですけど。
引っ越し!?
(校長)
ええ ちょっと 急な話みたいで。
おかあさんが倒れてしまって
ご実家に戻って 同居されるとか。
マジすか~!
あの オタカ
今 どこにいるんですか?
空港に向かうバスに乗ると
いってらっしゃいましたけど。
空港…。
おい ちょっと 城田!
ただいま。
(ケン:ヤス) お疲れっす。
頭 どうですか? この車
10年ローン組んで
やっと買えました。
なかなか渋いっすよね。
うん いい車だね。
あざっす。
(着信音)
(着信音)
もしもし。
 おい!
駅前のバスターミナルに
急いで来い!
えっ? 何でです?
緊急事態だ 急げ!
はい。
ヤス この車
貸してもらえないかな?
へい どうぞ!
ありがとう。
いや でも 俺 まだ
一度も運転したことなくて…。
でも 頭に運転してもらえると
嬉しいなっていうのも
ありまして…。
お気をつけて!
(アナウンス) 12時発の成田空港行き
リムジンバスは
間もなく出発となります
ご利用のお客様は…。
(貴子) 飛行機 3時だったよね?
すいません
わざわざ送ってもらって。
(ドアブザー)
ハァ ハァ… おい バスは?
えっ 今 出たけど…。
うわ~ マジかよ。
あれ? っていうか お前
何で ここにいんだよ?
えっ?
えっ?
えっ あっ えっと…。
城田さん。
あぁ 来たか!
よし! バス追うぞ!
えっ!?
何かさ やっぱ
お前の言う通りだよ。
大事なこと 言いそびれたから
胸のムズムズが消えねえんだよ。
このままじゃ
一生 ムズムズ地獄だ!
よし! バス追うぞ!
いや… でも 僕 道 分かんないし
これ ナビ付いてないんですよ。
何で 分かんねえんだよ!
おっ お前 分かんだろ?
何か 分かってるような顔してるよ
よし いいから行くぞ!
ほら 乗れ! よし 行くぞ!
っていうかさ
この車 どうしたんだよ?
ヤスがですね 何か中古で
10年のローンで…。
よし 行くぞ! おいおい…
何で 止まってんだよ!?
いやいや…。
早く行けよ お前!
行けませんよ。
クラクション鳴らせ!
早く行けよ お前!
はい。
おい いたぞ! あのバスだ
ほら 急げ急げ!
早く早く! 横つけろ 横つけろ!
おい どれだ? どこに座ってる?
おい どれだ? どれだ?
おい どれだ? どれだ?
あっ と… 友子さん!?
えっ?
友子って お前 あのウッチ~か。
ほら あの前…。
何で いんだよ。
あっ 水木。
水木? 水木って
お前が好きな女の子か?
何だよ このバス すごいな!
おい! オタカ! オタカ!
お~い おい! オタカ!
おい! オタカ~!
オタカ!
中学ん時 給食費 盗んだの
俺なんだよ!
ごめんよ~!
オタカ! ごめんよ~!
えっ? 何?
給食費 盗んだの 俺なんだよ!
はい?
給食…
何度もいえるか! バカ野郎!
タァ!

水木… 水木 好きだ~!
水木 好きだ~!
何で お前まで 便乗してんだよ。
好きだ~ 水木!
好きだ~! 水木 好きだ~!
水木~ 好きだ~! 水木!
さようなら。
(圭太) 水木 好きだ!
水木~ 好きだ~!
水木 好きだ!
僕も
胸のムズムズ
解消していいですか?
えっ?
友子さ~ん!
ホントは このハゲは
僕じゃないんです!
おい!
ホントの僕は この隣にいる
色男が僕なんです!
元に戻ったら きっと
きっと 迎えに行きますから~!
友子さ~ん!
友子さ~ん!!
ヤダ。
キショ。
友子さ~ん!
おいおい 前 向けよ オラ!
友子さ~ん!
この人 何いってんの?
友子さん。
圭太 気にすんな この おじさんな
ちょっと頭のネジ 緩んでんだよ。
友子さ~ん!

(圭太) 僕の声 聞こえたかな?
そんなん
どうだっていいじゃねえかよ。
聞こえたんじゃねえ?
そうだね ムズムズ消えたし。
あぁ?
僕 39点でもいいや。
僕は!
僕は絶対 元の姿に戻るぞ~!!
この おじさんね
まだネジが緩んでるみたい。
ハハハ…。

おはようございま~す!
あぁ そうですか よかったです。
少々 お待ちいただけますか?
高橋圭太君 登校して来たって。
ホントですか?
学校 行けたんですね。
今 普通に 授業受けてるって。
(恭子) よかった~。
すいません はい。
城田君
岩倉先生 話 したいって。
えっ? オタカ?
はい。
もしもし お電話 代わりました。
あの~ 引っ越したんじゃ
なかったでしたっけ?
ええ 引っ越しましたよ
隣町の実家に。
おいおい 勘弁してくれよ。
城田さん おかげさまで
圭太君 元気に来てくれました。
ありがとうございます。
いえいえ まぁね 僕も
「児相」の希望の星ですから ええ。
いつでも ムズムズしたら
連絡くださいよ。
あっ そんなこと 圭太が…
あぁ そうですか。
ちょっと今度 ちょいムズムズ
残ってるんで 伺いますんで ええ。
あなた。
あゆみ。
あなた!
あゆみ!
キャ~!
はぁはぁ… ハハハ…。
ハハハ…。
ハハハ…。
よ~し これを オタカに返したら
やっとスッキリだよ。
ヘヘヘ…。
よし よし よし。
鯵沢…。
(鯵沢) 城田さん
この間は うちの総長が
世話になったな。
しかし まさか
児童相談所の職員だったとはな。
俺に 何の用だ?
あんたと鯖島の秘密
握らせてもらったよ。
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